PROFESSIONAL SHOOTO 2022 開幕戦 黒部三奈 インタビュー

1月16日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される、プロフェッショナル修斗公式戦2022開幕戦で、前世界女子スーパーアトム級王者の黒部三奈が、宝珠山桃花と対戦する。

 

2020年8月、同級王者決定トーナメント決勝で杉本恵を下してベルトを腰に巻いた黒部だったが、昨年11月にSARAMIと死闘を展開しながら判定で敗れ、無冠となってしまった。

そこからわずか2カ月後の復帰戦――実績では大きく相手を上回るだけに、黒部有利の声が高くて然るべきだ。

しかし、復帰戦に向けた黒部からは、やはり黒部らしい強さの追求が聞かれた。

 

――試合5日前のインタビューとなります(取材は1月11日に行われた)。すでに練習のピークは終わっている頃でしょうか。

「はい。もうハードなスパーリングは日曜日(1月9日)に終えて、今は動きの確認をしながら体重調整をするところですね」

――黒部選手は昨年11月、SARAMI選手に敗れて女子スーパーアトム級のベルトを失いました。そのSARAMI戦から、わずか2カ月で今回の試合を迎えます。

「私からの希望です(笑)。1週間後には、すぐ試合をしたいって伝えていました。できれば1月の大会に出たいって」

――ベルトを失ってから2カ月、黒部選手の中で何か変わったものはありますか。

「いや、変わらないですね。DEEP JEWELSのベルトを失った時もそうでしたけど、ベルトの重みを感じすぎちゃうと、逆にプレッシャーになってしまうのは分かっていますから。そうすると自由に練習しにくくなってしまうので」

――なるほど。

「もちろん負けたことは悔しいですよ。でも、私自身はまた強くなるために頑張るだけですから」

――SARAMI戦は死闘ともいえる試合内容でしたし、さらにベルトを失ったことで引退が頭をよぎっても、おかしくはなかったと思います。

「引退ですか? 試合後、1日か2日は頭をよぎりましたよ。でも、ずっと寝ていたら元気になっちゃって(笑)。大きな怪我があるわけでもなく、元気だし」

――……黒部選手のお話を聞いていると、おそらく引退することは無いのだろうな、と思ってしまいますね。

「いやぁ、それは無いでしょう(笑)。引退はしますよ、いずれは」

――もちろん現役選手としての引退はあるでしょう。ただ、強くなることからの卒業はないのかと。

「あぁ~……そうですね。今も試合はするけど、本当に先のことは考えていなくて。ただ強くなりたい。強くなるためにはどういう練習をしなきゃいけないのか。今の自分には何が必要なのか。そればっかり考えています」

――だからこその、2カ月というスパンでの復帰戦なのですね。

「相手の希望とかも無かったです。とにかく試合をさせろと(笑)」

――まず次の試合に関してお聞きする前に、改めて2カ月前のSARAMI戦をどのように捉えているのか、教えてください。

「私も作戦を立てていたつもりだったけど、相手のほうが私への対策をしていた、という感じです。私自身も久々の試合でしたし、防衛戦っていうことで気負いすぎていたと思います」

――黒部選手にとってはSARAMI選手との防衛戦が、ベルトを獲得した2020年8月の杉本恵戦以来、1年2カ月ぶりの試合でした。

「そういうのもあって、自分に冷静さが欠けていた試合展開でしたね」

――試合では、黒部選手が前に出てSARAMI選手をケージに押し込む展開が続きました。あれは試合前の作戦だったでしょうか。それとも冷静さを欠いていたことによる展開だったのか……。

「作戦ですね。相手をケージに押し込んで削っていくという作戦でした。でも、そこで削り切れなかったですね。もうちょっと視野を広くして攻めていけば良かったんですけど」

――視野を広く、とは?

「たとえば相手をもっと動かして、私のほうが距離を取りながら強い打撃を入れていくとか。あるいは押し込んでからテイクダウンする。……そうですね、もっとテイクダウンにこだわっても良かったですね。押し込みながら削ることができなかったので、相手が疲れずに私のほうが消耗していました」

――ケージへ押し込んでいく作戦は、テイクダウンを念頭に置いたものではなかったのですか。

「テイクダウンに行けたら行く、というぐらいでした。チャンピオンシップだから5Rあるし、テイクダウンにパワーを使いすぎるのは良くないと考えていたんです。だから、何が何でもテイクダウンする、という感じではなかったですね」

――SARAMI選手をケージに押し込みながら削れなかった要因の一つに、SARAMI選手の首相撲、そして首相撲からのヒジとヒザがあったかと思います。

「ヒジが来るだろうな、とは想定していたんですよ。でも私が、首相撲の展開に気づけていませんでした。相手のペースになっていること、そのラウンドを取られていることも気づいていなかったんです(苦笑)」

――えっ……。

「それだけ、私が冷静ではなかったんです(苦笑)。やっぱりベルトの防衛が賭かっていたし、さらに修斗のメインっていうのは大きいんですよ。チャンピオンとして、メインイベンターとして、しっかりしないとって強く思っていました。私自身、以前はDEEPジュエルスのチャンピオンだったから、どれだけ防衛が大変かっていうのも分かっていましたし」

――SARAMI選手は練習仲間でもあり、かつ「大好きな存在」と公言していました。試合後、SARAMI選手との練習は再開されたのでしょうか。

「まだ練習はしていないです。でも、いつでも機会があったら練習しようね、という話はしたいです」

――そのSARAMIから2カ月という期間は、自分自身を見つめ直すに十分なものだったですか。

「いろいろ考えましたし、考えたことに対する練習はしています。まだ完璧ではないけど、前よりはレベルアップしていると思いますよ」

――どういったところがレベルアップしたのでしょうか。

「うーん……まぁ、そうですね。何て言ったらいいんだろうな……」

――そこは次の試合に大きく関わってきますか。

「そうですね(笑)。一つ言えるのは――今までポイントとなる部分は成長していたと思うんですよ。打撃とか、テイクダウンとか。今はMMAとして、それぞれのセクションを繋げる作業をしているところです」

――そういう意味では確かに、前回の試合はSARAMI選手のほうがMMAファイターとして上回っていた印象は受けます。

「はい。だから押し込みながらテイクダウンがあったり、その前に打撃を使ったり、組んで行けなかったらヒザを見せたりとか。もっとMMAファイターになっていかないと」

――では次の対戦相手、宝珠山桃花選手については、どのような印象を持っていますか。

「アマチュア修斗からプロの試合まで見ましたけど、打撃で、イケイケな感じで来る選手なのかなと思いました」

――プロ修斗デビューとなった昨年5月の柳仙香戦はTKO負けを喫していますが、続く12月の和田千聖戦は、強烈なパウンドの音を会場に響かせるなど、成長しているところなのだろうとは思います。

「確かに伸びていますね。若いのは良いことです(笑)」

――今大会からは女子アトム級初代王者決定トーナメントも開催されます。このトーナメントにはレジェンド的存在でもある、渡辺久江改め久遠選手も参戦します。

「久遠選手は、私が試合に出始めた頃に一度引退されていて、絡みがなかったんですよ。でも試合はKO勝ちも多くて、第一線の選手でしたよね」

――そのアトム級には、興味はありませんか。

「今も頑張ればアトム級も落とせますよ。今回のトーナメントが終わった後に、もしかしたらお願いするかもしれないですね(笑)」

――それは楽しみです。今また、自分の中で強くなっていると思いますか。

「それが分からないから、格闘技って難しいですよね(苦笑)。でも……強くなっていると思いますよ。また這い上がっていくために、とにかく試合をして、勝っていきます」

 

\今だけ!30ドル無料プレゼント/

BeeBet BeeBet
動画をシェアしよう

関連記事・動画

修斗

人気ランキング

選手密着動画

MVP

DEEP

\今だけ!30ドル無料プレゼント/

BeeBet BeeBet