
――MMAでは、どのようなシーンで柔術に助けられていますか。
「細かいところで……たとえばレスリングが強い選手の動きに対して、柔術の技術が私を助けてくれているところは大きいかなと思います。柔術を練習していると、組み技について細かいことが分かってくるというか。そんなに理解が早いわけじゃないんですけど、やっぱり道衣を着て寝技の練習をすると、細かい動きも分かってくるんですよ」
――柔術以外に新たに取り組んでいるものはありますか。
「脳神経系のトレーニングです。目の動きと自分の反応、あとは周辺視野のトレーニングですね。私は周辺視野が弱いところがあったので、それを鍛えるトレーニングを教えてもらって、毎日やっています」
――それは視野が広がることはもちろん、周辺で動いているものを認識しやすくなるトレーニングということですか。
「はい、そうです。そこにあるものを認識できるようになるだけでも、スパーリングでも反応は速くなったと思います。先日の試合が終わってから始めたばかりなので、まだまだなんですけど。私は運動神経が無いので」
――先ほどから運動神経の無さを強調されていますが……。
「無いです!」
――キッパリ言い切りましたね(笑)。
「アハハハ。中学校ではソフトボール部に入っていたんですけど、フライを捕る時にグローブではなく顔面でボールを受けたりしていました。あとは50メートル走では9秒を切れたら調子が良いですね。ただ、昇り棒は速かったのと、体力はありました」
――登り棒が速いということはグリップと引く力、組む競技は強いでしょう。
「あぁ、そうなんですかね? 確かにレスリングの選手でロープ登りをしている人いますよね。この2つは子供の頃から強かったです。
それと最近は中野のセンチャイジムさんで、ムエタイを教わっています。今までMMAだと押し込む展開が多いし、あとは足を触りにいくか四つの展開になることが多かったじゃないですか。でもタイトルマッチでは首相撲に持ち込まれて……。その反省から、センチャイジムさんでムエタイを習うようになりました。やっぱり私の試合は、もう研究されていると思うので」
――新たな練習にも取り組みながら迎える次の試合ですが、対戦相手のパク・ソヨン選手について印象を教えてください。
「まだまだ荒っぽい感じですよね。でも気は強いし、勢いがありそうで。試合映像を見ると、いま自分がやっていることを出せそうな相手かもしれないです」
――そのパク・ソヨン選手を相手に、どのような試合を見せたいですか。
「ボコボコにしたいと思っていますよ。フィニッシュしたいです。試合だから何があるか分からないし、油断もしていません。でも、ボコボコにします!」