2021/5/16 修斗 内藤太尊選手インタビュー

2021年5月16日(日)、東京・後楽園ホールで開催されるプロフェッショナル修斗公式戦で、宇野薫×佐藤ルミナの弟子・内藤太尊という、修斗ファンにとっては興味深い一戦が行われる。 フルコンタクト空手出身で、KOあるいは一本決着の多い内藤が、自身も“レジェンド”と評する宇野薫に対して、どんな試合を見せるのか。 そんな内藤にベースとなる空手時代と、宇野戦に懸ける想いを聞いた。

――まず宇野薫戦のオファーが来た時は、どのように思いましたか。

「以前からよくジムの仲間にも、『いつか宇野さんと対戦してみたい』という話をしていたんです。同じ階級で、僕は佐藤ルミナさんの弟子だから、いつか宇野さんと試合をするチャンスが来るんじゃないかなって――正直、プロデビューした頃から、そう思っていました」

――では、宇野薫選手に対する印象を教えてください。

「うーん……どうしても、ずっとテレビで見ていた宇野薫選手、というイメージがあるんですよね。僕の師匠と戦ったファイターですし。今の宇野さんの試合を見て、自分がどういう試合をするのか、ずっとイメージしてきました。でも、それよりも“宇野薫”っていう存在のイメージがすごく大きいというか。やはり“レジェンド”なので」

――そう考えてしまうのも仕方ないかもしれませんね。これまで日本MMAの歴史を築いてきたファイターですし。

「憧れというか、僕たちが中学生や高校生の頃にテレビで見ていた相手ですからね。でも、今はもう切り替えることができました。相手は、僕を全力で倒しに来る現役のファイターです。経験値があって、最後に仕留める一発を持つ選手。絶対に油断することはできない――試合になったら、命を削り合って戦いたい。そう思っています」

――なるほど。内藤選手は、もともと空手をやっていたのですよね。

「はい、幼稚園の頃から空手をやっていました。フルコンタクト空手ですね。小さい頃は、いつか空手の世界チャンピオンになりたいと思っていました」

――その空手少年が修斗やMMAを始めたキッカケは何だったのですか?

「修斗やMMAは、空手をやっていた頃からテレビで見ていて、『すごいな。かっこいいなぁ』という想いはありました。その想いが明確になったのは、高校を卒業してロサンゼルスに留学してからですね。空手がキッカケで」

――空手がキッカケで留学、というのは?

「空手で倒したい相手がアメリカにいたので」

――えぇっ! なかなかシビれるお話です。

「高校生の世界大会に出場して、アメリカの選手に負けたんですけど、それが悔しくて……。『その選手に何としても勝ちたい』と思っていたら、あるキッカケで相手のお父さんが『よかったらアメリカに来て一緒に練習しないか?』と言ってくれて。そこで、その選手を倒すために同じ道場で一緒に練習するようになりました」

――いやぁ、もう空手劇画の世界観ですよ。

「それでなぜ修斗やMMAを始めたのかというと、空手以外の武道や格闘技のことも知りたくて、頼永先生のところへ体験で行ったんです」

――USA修斗協会代表の中村頼永さんですね。

「はい。当時は空手家がMMAの試合に出ても、あまり戦績が良くなかったじゃないですか。僕の中で空手家とは、寝技も立ち技もできないといけない。ずっとそう教わってきました。“地上最強のカラテ”です」

――地上最強のカラテ!

「だから空手家が寝技で負けた試合を見て、僕も何でも覚えていかないと思っていました。そんな時、知り合いから紹介されて、頼永先生に修斗やジークンドーを教えていただくことになったんです」

――ではルミナさんのジムrootsに入るのも、中村頼永さんの紹介で?

「それもいろんな繋がりがありまして……まずアメリカで頼永先生に『日本に一時帰国するのですが、出稽古に行くなら、どのジムがいいでしょうか?』と聞いたところ、『佐藤ルミナという信頼できる人間が小田原でジムをやっている』と言われたんです。 あともう一つ。僕は今、MobStylesというアパレルブランドにスポンサードしていただいているんですが、もともと格闘技好きの父親が、MobStylesの服も好きだったんですね。そこで父がMobStylesの代表・田原洋さんに『ウチの息子は空手をやっていて……』と話したら、田原さんからも『息子さんが日本に帰ってきたら紹介してください』と言っていただいて。その流れでルミナさんのジムを紹介してもらいました」

――確かに偶然とはいえ、凄い繋がりです。内藤選手の格闘技人生において、お父さんの影響がとても大きいのですね。

「僕の父は、空手だけじゃなくて何でも格闘技が大好きだったんですよ。僕の名前に“タイソン”ってつけるぐらいですから」

――お父さんの世代的には、マイク・タイソンが強さの象徴だったでしょう。名前がタイソンで、幼稚園の頃から空手を習わせるということは、内藤選手を地上最強の息子に育てたのかと。

「ハハハ、それはあるかもしれないです。ちなみに弟がいるんですけど、名前は“ホーガン”っていうんです。もちろん漢字ですが」

――プロレスラーのハルク・ホーガンですか!

「3人目は女の子で、格闘技とは関係ない名前になりましたけど、以前『3人目も男の子だったら何て名前を付けたかな?』って聞いたんですよ」

――……どんな名前を付けていたのでしょうね?

「タイソン、ホーガンと最後が“ン”なので……ヒクソンだったかなって(笑)」

――素敵です! 興味深いですが、ここで修斗の話に戻します(笑)。そんな内藤選手について驚かされたのが、プロ修斗デビュー戦でした。空手出身というプロフィールなのに、決着がヒザ十字という。

「そうです。あれは“空手詐欺”と言われています」

――空手詐欺!?

「空手で行くと見せかけて、寝技で仕留める。アマチュア修斗のデビュー戦も、RNCで勝っていましたから(笑)」

――響きは良くないかもしれないですが、内藤選手のスタイルを端的に表していますね。しかし、前回の環太平洋チャンピオンシップではSASUKE選手に敗れ、ベルトを腰に巻くことはできませんでした。

「チャンスを頂いたのに、それをモノにできなかったのは悔しいです。その前から、コロナ禍で試合が流れたりとか、いろんなことがありました。でもコツコツ続けていれば、誰かが見てくれていて、また今回のようなチャンスを頂くことができる。だから、まだまだ頑張らなきゃいけない、って思います」

――やはり目指すは修斗のベルトですか。

「修斗のベルトは欲しいです。すごく欲しい。でも、それをでも、それを“憧れ”と言ってしまうと、獲れないと思うんですよ。ベルトは憧れではなく、獲るもの。どうやって勝ち、どうやってベルトを獲りにいくか。今は1戦1戦、ちゃんと勝っていかないといけません」

――次の対戦相手、宇野選手は現在修斗フェザー級のランキングに入っていないですよね。この試合に勝っても、内藤選手のランキングが上がるのかどうか、今のところ分かりません。ベルトを目指すうえで、そのような一戦について、どう思っていますか。

「そこは、宇野選手が相手ということを抜きにして考えています。コロナ禍で大変なのに試合のオファーがあるというのは、僕のファイトを待ってくれている人がいるんだなって。だから試合を見てくれる人に、このコロナ禍の中でも勇気を与えられるファイターになりたい。ランキングとかは関係なく、これまでと同じように、バチバチとした試合をしたいですね」

――バチバチとした試合……内藤選手の試合は、KOか一本による決着が多いですね。

「そうですね。良くも悪くも(苦笑)。やるか、やられるか」

――いずれにせよ、MMAを通じて人に勇気を与えられたら、それは素晴らしいことだと思います。

「最初にも言いましたけど、今は宇野選手に対してリスペクトを出しすぎることはありません。僕も今、プロとしてやらせてもらっているので。必ず宇野さんをぶっ飛ばします」

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