7月25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される、プロフェッショナル修斗公式戦2021 Vol.5。女子スーパーアトム級挑戦者決定戦として、同級王者・黒部三奈への挑戦権を賭け、SARAMIと中村未来が戦う。
かつてDEEPJEWELS王座戦で黒部と対戦した経験を持つSARAMIは、昨年末に修斗初参戦、杉本恵に完勝し、その強さを改めて証明した。
対するは、今年2月にRoad to ONEで平田樹に敗れるも評価を高めた中村未来だ。
組むか、打つか――相手を自分の型にはめるのは、どちらだ!?
女子スーパーアトム級 5分3R
SARAMI(パンクラスイズム横浜)
×
中村未来(マルスジム)
戦績データ
■SARAMI
MMA戦績:14勝12敗
最近5試合:
2020年11月23日 ○杉本恵 by 腕十字
2019年10月5日 ×キム・ソユル by 判定0-3
2019年6月20日 ○ミシェレ・フェヘイラ by 腕十字
2018年12月1日 ○齋藤裕子 by 判定3-0
2018年8月26日 ×アリーシャ・ガルシア by TKO
■中村未来
MMA戦績:4勝4敗
最近5試合:
2021年5月16日 ○北野きゅう by TKO
2021年2月22日 ×平田樹 by TKO
2020年12月20日 ×古澤みゆき by 判定0-2
2020年9月19日 ○永尾音波 by 判定3-0
2020年5月31日 ×杉本恵 by RNC
2019年11月24日、修斗女子初代スーパーアトム級(-50kg級)王座決定トーナメントがスタートした。
このトーナメントを制し、修斗史上初の女子王者となったのは、DEEP JEWELSアトム級のベルトを巻いたこともある黒部三奈だ。
トーナメント決勝戦が行われたのは2020年8月1日、1年の時を経て、黒部の持つベルトへの挑戦者を決めるための一戦が組まれている。
このトーナメントでは、韓国のイ・イェジが準決勝に進出していたものの、コロナ禍で来日できないという事態に。そこで、プロ4戦目の中村未来に白羽の矢が立ったが、杉本恵にRNCで敗れている。
しかし中村は、今年2月の平田樹戦で、得意の左ミドルと左ストレートを中心に戦い、テイクダウンされてもすぐに立ち上がる展開で、解説の青木真也からも評価された。
試合は平田が首投げからパウンドで勝利したものの、この試合で中村は注目を浴びる。続く5月の北野きゅう戦では、得意の打撃で優位に立ち、最後は左ストレートでレフェリーストップに追い込んだ。
再び見えた、修斗王座への道。そんな中村の前に立ちはだかるのは、国内女子MMAではベテランの域に入った、SARAMIだ。
右の前蹴りで距離を測りながら、一度組み付くと柔道をベースとした投げでテイクダウンを奪い、サブミッションを狙うSARAMI。
過去にはDEEP JEWELSを主戦場とし、同アトム級王者として引退した前澤智に3戦3勝という戦績が光る。さらに、修斗では中村を下している杉本恵にRNCで完勝し、今回の挑戦者決定戦への出場となった。
同じ杉本戦を単純比較すれば、SARAMIの絶対的優位は動かない。特に、中村がSARAMIの得意な形――平田と敗れた時と同様、首投げからの袈裟固めにハマってしまうと、そこから抜け出すのは難しいだろう。
中村としては、平田戦や北野戦で見せた、距離が詰まった瞬間の右フックや左ストレートで勝負したいところ。SARAMIにとっては、中村の打撃をかいくぐり、組み付くことができるかどうか。MMAとしての距離は、SARAMIに分がある。
かつて黒部に敗れ、DEEP JEWELSのベルトを巻くことができなかったSARAMIと、トーナメントで敗れた中村――挑戦者決定戦にふさわしい一戦は、互いの距離が詰まった時、どちらが自身の制空圏を確保できるか。
距離を制した瞬間、勝負は一瞬で決まるかもしれない。