
7月25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される、プロフェッショナル修斗公式戦2021 Vol.5のメインイベントで、世界フェザー級王座決定戦が組まれた。
王者・斎藤裕がRIZINで朝倉未来を下し、同フェザー級王座を獲得し、修斗のベルトを返上。空位となった王座を、SASUKEと工藤諒司が争う。
環太平洋王者で世界1位のSASUKEは柔道、世界7位の工藤はレスリングと、ともに組み技をベースに持つが、そのファイトスタイルは好対照だ。
両者にとって初となる5R戦は、己のスタイルを貫いた側が勝つのか。それとも新たなスタイルを引き出してくれるの――絶対に見逃せない、この夏再注目の一戦である。
世界フェザー級チャンピオン決定戦 5分3R
SASUKE(MASTER JAPAN/環太平洋フェザー級王者/世界フェザー級1位)
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工藤諒司(TRIBE TOKYO M.M.A/世界フェザー級7位)
戦績データ
■SASUKE
MMA戦績:8勝1敗1分
最近5試合:
2021年1月31日 ○内藤太尊 by RNC
2020年9月19日 ○仲山貴志 by TKO
2020年5月31日 ○西浦“ウィッキー”聡生 by 判定3-0
2019年11月24日 ○山本健斗デリカット by 判定2-0
2019年10月20日 ○稲葉聡 by ギロチン
■工藤諒司
MMA戦績:10勝1敗1分
最近5試合:
2020年12月19日 ○山本健斗デリカット by KO
2020年9月19日 ○野瀬翔平 by KO
2020年4月17日 ○椿飛鳥 by TKO
2020年2月19日 ○イ・ミンヒョク by 判定3-0
2019年10月5日 ○ジェリー・オルシム by 判定3-0
2016年1月、世界フェザー級王座を獲得した斎藤裕が、2020年からRIZINに参戦。同年11月に朝倉未来を下してRIZINフェザー級のベルトを巻き、今年3月に修斗の王座は返上した。これを受けて今回、空位となった世界王者の座を賭けて、SASUKEと工藤諒司が対戦することとなった。
世界ランキング1位のSASUKEは、2020年9月に環太平洋フェザー級王座を獲得し、今年1月には初防衛に成功している。
中学生の頃から始めたという柔道をベースにしているが、まずスタンドの強さが目立つファイターだ。
相手の打撃をパーリングあるいはブロックで防御しながら、自身のパンチが伸びる。距離が近くなれば、差し合いはもちろん首相撲から足技でこかすこともできる。
そしてグラウンドになれば、トップからの抑え込みやバックコントロール、下からはガードワークとサブミッションがあり、極まらないとみれば立ち上がる切り替えも速い。
つまり、現在の修斗を代表するような、全てのバランスに優れたウェルランダーである。
対する工藤諒司も、ここ3試合は連続KO中の、レスリングをベースとしたパンチャーである。
ローで距離を探りながら、相手が組んでくれば、ケージ際のスクランブルで倒されることはない。さらにスタンドでは、打ち終わりを狙った豪打で相手をマットに沈めてきた。
SASUKEとは異なるタイプだが、同様に全局面で戦うことができるファイターだ。
組み力を攻撃に使うSASUKEと、反対に組んでも防御しながら打撃でのフィニッシュを狙う工藤という、好対照の2人でもある。
共にゲームメイクが巧く、フィニッシュする力を持っている。世界チャンピオンシップは5R制なだけに、戦略・戦術面も重要となってくるだろう。
工藤はここ3試合で、相手の様子をうかがいながら、チャンスと見るや一気に仕留める展開が多かった。しかしSASUKEも、自分のピンチとなれば下がり、チャンスとなれば組んでいくことができる。
フィニッシュする力だけでなく、試合の流れを見極めるスキルも求められるだろう。
試合後のインタビューで溢れる修斗愛を叫ぶSASUKEと、「RIZINより修斗のほうが上」と同じように修斗愛を持つ工藤が戦う、今回の世界フェザー級チャンピオン決定戦。
技術、戦略、戦術もさることながら、どちらの修斗愛が勝っているのか――という視点でも注目したい一戦だ。