
2021年9月20日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるプロフェッショナル修斗公式戦2021 Vol.6では、世界バンタム級8位の後藤丈治が、元環太平洋王者の石橋佳大と対戦する。
国内MMAでは珍しい左ミドルの使い手である後藤と、激闘王の異名を持ちフルラウンドアタックし続ける石橋の一戦の行方や、いかに!?
バンタム級 5分3R
後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A/世界バンタム級8位)
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石橋佳大(ZEEK/元環太平洋バンタム級王者)
戦績データ
■後藤丈治
MMA戦績:11勝4敗1分
最近5試合:
2021年3月20日 ○魚井フルスイング by 判定3-0
2020年12月20日 ○服部賢大 by KO
2020年9月19日 ×藤井伸樹 by 判定3-0
2020年8月17日 ○祖根寿麻 by ギロチン
2020年2月16日 ○力也 by TKO
■石橋佳大
MMA戦績:10勝8敗2分
最近5試合:
2020年11月23日 ○論田愛空隆 by 判定3-0
2019年5月6日 ×藤井伸樹 by KO
2018年9月23日 ○ドレックス・ザンボアンガ by 判定3-0
2017年10月15日 ×佐藤将光 by 判定0-3
2017年7月30日 ×カリッド・タハ by TKO
今年3月に魚井フルスイングに判定勝ちしてランキング入りを果たした後藤と、元環太平洋王者の石橋は、好対照ともいえるファイトスタイルを持っている。
北海道出身の後藤は、地元のキックボクシングジムで学んだ打撃をベースとしたMMAファイターだ。特に左ミドルの切れ味は、国内MMAの中でも群を抜いている。さらに左ミドルを効かせてから放たれる左ストレートには、一撃必殺の威力が秘められている。
対する石橋は、激闘王の異名を持つベテランファイター。スタンドの打ち合い、グラウンドでのポジションの奪い合いやサブミッションの極め合いまで、フルラウンドを通じて試合の行方が分からなくなる大激闘を毎試合、展開してきた。
ここ最近の戦績からすれば、後藤有利という声も多いだろう。しかし両者の対戦について考えるうえで欠かせないのが、修斗世界バンタム級1位・藤井伸樹との試合だ。
石橋は2019年5月に藤井と対戦している。その試合では、どちらに勝敗が転ぶか分からない大激闘の末、最後は藤井の右ストレートを食らい、マットに沈んだ。
一方の後藤は、翌2020年9月に藤井と戦っているが、1Rこそスタンドで優位に立ったものの、2R以降はテイクダウンとバックマウントを奪われ続け、判定負けを喫した。
ともに藤井戦で敗れてはいるものの、石橋は後藤について「相性は悪くない」と語る。それは、藤井が後藤を下したファイトスタイルを、石橋自身も得意としているからに他ならない。
後藤の左ミドルや左ストレートをかわし、石橋がグラウンドに持ち込むことができれば、そのまま削られた後藤のペースが落ちて、判定で石橋の手が上がる可能性は十分にある。
そんな石橋にとっての課題は、相手の打撃につられて今回も激闘になってしまうかどうかだ。激闘王の異名を持ちながら、実は「激闘をせずにドミネイトして勝ちたい」という石橋。ここはどれだけ自分のペースで試合を運ぶことができるか。己との戦いとなる。
とはいえ、後藤も藤井戦後に大きな飛躍を見せた。
復帰戦となった服部賢大との試合では、それまでの試合よりアップライトに構え、得意の左ミドルを中心に相手をコントロールして、最後は左ストレートでKO勝ちを収めている。
続く魚井戦では、さらに試合のコントロール力が高まり、魚井のフルスイングパンチを当てさせることなく、しっかり判定をものにしたのだ。
そんな後藤は、インタビューで「僕の過去の試合は参考にならない」と言い放つ。それだけ成長を続け、石橋のファイトスタイルに対しても自信を持っている証だろう。
果たして、後藤が得意の左でコントロールしながら倒すのか。それとも石橋がグラウンドに持ち込んで削り続けるのか。あるいは、やはり今回も大激闘に――!?
後藤の左ミドルと石橋のテイクダウンが交錯する、ファーストコンタクトから見逃すことができない一戦だ。