2021/6/20 Deep 本野美樹選手インタビュー

2021年6月19日(土)、東京・ニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS33で、ストロー級王者・本野美樹が、伊澤星起を挑戦者に迎えて防衛戦を行う。
両者は昨年12月にノンタイトル戦を行い、星野が判定勝利を収めている。その試合で、自身のMMAに対する考え方が変わったという本野。
王者のリベンジか、挑戦者の返り討ちか。チャンピオン本野に、これまでの格闘技キャリアと、タイトルマッチについて聞いた。

――今回、DEEP JEWELSストロー級タイトルマッチで、前回ノンタイトル戦で敗れている伊澤星花選手を迎え撃つこととなりました。本野選手は柔道がベースとのことですが、何歳から柔道を始めたのでしょうか。

「5歳から柔道をやっていました。まだ小学校に上がる前、いとこの子と遊んでいて、よく泣かされていたんです(笑)それで『柔道を始めたら、いとこに勝てるよ』と誘われて」

――今AACCで一緒に練習しているRENA選手も、格闘技を始めたのは同じようなキッカケでしたね。

「そうですね(笑)。RENAさんは4姉妹で、お姉さんに勝つために……だったと思います。私も柔道を始めてからは、いとこと喧嘩すること自体なくなったんですけど」

――初めて柔道の試合に出たのは?

「5歳の時、道場内の試合には出ていたんですが、公式の大会に出たのは小学1年生ぐらいだと思います。当時のことはあまり覚えていなくて、確か最初に優勝したのは小4の時、県の大会でした」

――子供の頃、柔道以外のスポーツはやっていなかったのですか。

「いえ、小学校の時はサッカーとバスケもやっていました。学校でもお昼休みや放課後は、サッカーとバスケをやったりして、柔道は小さい頃からやってきて、辞めるタイミングが分からず、そのまま続けていたような感じでしたね」

――それが、ずっと柔道をやっていこうと決めたのは?

「中学の時ですね。小学校の時は練習が厳しく、毎日泣きながら練習していて、辞めたいと思う時もありました。でも中学の頃には、もう柔道を辞めたいという気持ちはなくて」

――中学の柔道部に入り、何かが変わったのでしょうか。

「小学校の時は小さい子も大きい子も一緒に戦うから、なかなか結果が出なかったんです。年下でも体格が大きい子に負けたり。でも中学からは階級別になるじゃないですか。すると私も結果が出せるようになって、どんどん柔道にハマりました」

――そこから高校も柔道で進学したのですよね。

「自分が行きたい高校へ推薦入学しました。でも私が入る頃、そこの学校はもう女子部をやめて男子に絞ってやろうかという話になっていたそうなんです。でも監督とお話した時に、『そこまで君がウチの学校でやろうと思っているなら、女子も続ける』と言ってくださって。その言葉はすごく嬉しかったです」

――存続危機に陥っていた女子柔道部が続くことに。

「はい。そこから女子部員も増えて、団体戦は県大会を何連覇もしています。そうやって、後輩が活躍していると、すごく嬉しいですね」

――当時の練習仲間の方は、本野選手はMMAをやっていることをご存じなのですか?

「はい、年齢が近い子は知っています。後輩も『試合を見に来たい』という連絡や、応援のメッセージをくれたりしますね」

――そんな本野選手にとって、柔道時代の目標は何だったのでしょうか。

「やっぱりオリンピックです。オリンピックで金メダルを獲りたいと思っていました。でも、上に行くにつれて大変だったというか。柔道をやればやるほど、自分の中の限界が見えてきてしまったんです……」

――そこで、柔道選手としての限界を感じてしまった。

「はい。そんな限界を、自分の中で決めてしまっていたんですよね。だから柔道では、自分の最後の試合が終わった時、やり切ったという感覚があって、未練もありませんでした」

――そこから、どのような経緯でAACCに入り、MMAを始めたのでしょうか。

「柔道時代、一度AACCで練習させてもらったことがあって、その時すごく楽しかったんですね。ずっとその楽しい思い出が頭の中にあって。そこで柔道を辞めた時、目標もなくなっていたので。ストレス発散にもなるし、楽しかったからAACCに通おうと思いました」

――でも最初はフィットネス目的で、キックボクシングを始めたのですよね。

「そうなんです(笑)。キックボクシングとか、そういう打撃を楽しくやってみたいと思って。だからMMAを選手としてやるとかは、考えていませんでした」

――柔道の実績からすれば、MMAに誘われたのではないでしょうか。

「もともと私もRIZINとか見ていて、すごくカッコイイと思っていたんです。もっと早くMMAを知っていたら、私もやっていたかもしれない。そういう気持ちはありました。でも、私はその時22歳で、そこから次のスポーツにのめり込むことは考えていなかったですね」

――確かに、柔道をやり切ったからこそ、そう考えるのかもしれません。しかしその後、本野選手は2019年3月、HEATで鈴木万李弥選手を相手にMMAでプロデビューし、判定勝利を収めました。

「ずっとアマチュア修斗には出たいと思っていたけど、何回も試合が流れてしまって。そんな時にHEATの試合が決まったんです。試合に出るからには勝ちたいし、勝ったら『もう1回やりたい』という気持ちが芽生えてきて。新たな闘志がわいてきたんです。勝った時の快感が忘れられなくて、その快感をまた味わいたいと思って続けてきました」

――その後、2試合目が格上の長野美香選手。そして3戦目がオーストラリアでの試合と、ハードな道が続いています。

「2試合目は対戦相手の候補が何人かいたんですけど、その中に長野さんのお名前があって。長野さんの試合はテレビでも見たことがあったし、どうせ試合するなら、その中で一番強い人と対戦してみたいと思ったんです」

――自分で長野選手を選んだのですか!

「はい。テレビで見た選手が私と対戦してくれるとか、すごくありがたいと思って」

――自らハードな道に飛び込んだのですね。その気持ちの強さは、試合でも感じます。ノンパン・ザ・ロケット戦では、おびただしい出血がありながら前に出て、1Rで相手を仕留めました。

「あぁ、鼻血ですね。あとから映像を見ると、あの量はなかなかのものでした(笑)。試合中は気にしていられなかったです。1Rで仕留めて、タイトルマッチへの気持ちをちゃんとマイクで言いたいという気持ちがあったので」

――ただ、ノンパン戦までと、JEWELSのベルトを獲得した赤林檎では、ファイトスタイルが変わったように見えました。ノンパン戦までは自分からガンガン前に出ていたのに対して赤林檎戦では、距離を取って相手が来たらどうするか、という割合が高くなったように見えます。

「そうですね。それまでの試合は、自分から突っ込んでいって、一発目に必ず打撃をもらってから『距離感を考えないと』って気づくような感じだったんです。でも打撃をしっかりと練習して、MMAの距離に対する意識は変わってきました」

――しかし、続く伊澤星花選手とのノンタイトル戦では、相手の組みに苦戦し、判定負けを喫していました。打撃への意識が強くなっていたのでしょうか。

「あの試合は、『パンチを試したい』という気持ちが強かったんです。勝つための作戦ではなく、自分のパンチを試しに行ってしまった。結果、パンチだけの試合になって……まだ自分はMMAができていないな、って感じました」

――伊澤選手に対する印象は?

「伊澤選手はレスリングも柔道もやっていて、自分の組む形とかパターンを持っている選手だな、って思います。自分もそこが強みなので、比べてみても強いなと思うところはありますね」

――あの試合では、伊澤選手のほうがしっかり打撃と組みを織り交ぜていましたよね。

「はい、そうです(苦笑)」

――一方、本野選手も赤林檎戦では、相手が組んできたら首相撲で切り返していたりしていたので、なぜ伊澤戦ではそれが出なかったのだろうか、と思っていました。

「あの試合は、自分の中では負けた要因もハッキリしています。前回の試合から期間は開きましたけど、その間に私も打撃を磨いて、さらに柔道をやってきた自分の強みを生かすような練習ができていると思います。前回の試合とは違う展開になるし、必ず勝ってベルトを守ります」

\今だけ!30ドル無料プレゼント/

BeeBet BeeBet
動画をシェアしよう

関連記事・動画

DEEP

人気ランキング

選手密着動画

MVP

修斗

\今だけ!30ドル無料プレゼント/

BeeBet BeeBet