2021/7/4 DEEP102 IMPACT 水野竜也選手 試合前インタビュー

2021年7月4日(日)、東京・後楽園ホールで開催されるDEEP 102 IMPACTで、DEEPミドル級王者の水野竜也が、ジョアンオ・バティスタ・吉村の挑戦を受ける。

両者は2020年10月にノンタイトルマッチで対戦し、その時はバティスタが2Rに水野をパンチでKOしている。

改めてベルトを賭けて戦う水野は、2006年にプロデビュー。これまでDREAMやK-1といった大舞台で、ミルコ・クロコップやメルヴィン・マヌーフ、ゲガール・ムサシ、セルゲイ・ハリトーノフなど世界の強豪と対戦してきた。

また、2012年からはONE Championshipに参戦するなど、日本のMMA重量級を代表するファイターだ。

2017年以降は古巣であるDEEPに出場し、同ミドル級王座を獲得。しかし、7連勝を収めた後に喫した、バティスタ戦でのKO負け――

その試合で見えたという現在の自分と、思い出したかつての自分の姿。

DEEPミドル級王者・水野竜也は、新たな決意で再びケージに入る。

 

 

――2020年10月のノンタイトルマッチでKO負けを喫したジョアンオ・バティスタ・吉村選手と、ベルトを賭けた再戦が決まりました。この取材は試合1週間前に行っていますが、現在の調子はいかがですか。

「はい、ここまで怪我もなく、しっかり練習できました。あとはコンディションを整えながら、集中して体重を落としていくだけです」

――振り返ってみると、水野選手は15年のキャリアの中で、コンスタントに試合をしていますよね。これまで大きな怪我などはなかったのでしょうか?

「昔、網膜剥離になったのと、靭帯を傷めたことはありました。でも網膜剥離は今だと治療して元の状態に戻りますし、靭帯も前十字や後十字といった致命的な箇所ではなかったので、選手生命に関わるような怪我はないです」

――それだけコンディショニングに気をつけているということですか。

「練習以外の時間も、格闘技のことに時間を使っていますね。体のメンテナンスとか。僕はお酒も飲まないし、タバコも吸わないし、夜に外出することもないんです。食べ物に関しても、そこまでストイックではないけど、できるだけ胃が疲れないようなものを食べたり」

――それでもハードな練習を続けていると、何かしら怪我はつきものかと思います。

「今年で40歳ですが、この年になると、若い時みたいなムチャな練習はできなくなりますよね。でも、練習の強度を落としたら、その先には引退しかない。だから若い時ほどの練習はできなくても、一つひとつ集中しています」

――それだけ体のメンテナンスや練習に気を遣うのは、以前からですか?

「はい。僕は子供の頃から柔道をやっていたんですけど、小学5年生の時から腰痛があって、ずっと怪我と戦っていたんです。だから、他の選手よりもコンディションに気を遣っているかもしれませんね。実際、いろんな選手を見てきて、分かるんですよ」

――何が分かるのでしょう?

「練習や体調管理の面を見ていると、この選手は続く、この選手は続かないだろうな、と。実際そう思ったとおりになったことが多くて」

――他の選手に対してそう気づくということは、自身でも何か不調があれば、すぐに分かるのでしょうね。

「僕はどんどん試合をしていきたいんです。スケジュールが空いていたら、すぐ試合を入れてほしい。そのために、コンディションについては注意しています」

――なるほど。さて、次のバティスタ戦についてですが、水野選手の中で、前回のKO負けはどのように捉えているのでしょうか。

「……これは相手にも失礼になるかもしれませんが、前回は、なんとなく試合していたような気がします」

――なんとなく試合をしていた、とは?

「2017年から再びDEEPで試合するようになって、7連勝していました。すると自分の中でも『勝って当たり前だろう』という気持ちが、あったのかもしれないです。周りにも『水野なら勝って当たり前』という雰囲気があったんです。それはバティスタ戦だけでなく、ここ数年はずっと」

――そこに油断が生まれてしまったのでしょうか。

「油断というか、慢心ですね。前回の試合は、対戦相手の情報も少なかったんですが、それでも『やれば勝てる』という気持ちのまま、なんとなく試合をしてしまったんだと思います。あの試合に向けて、燃え上がるものがなかったというか……」

――燃え上がるものがなかったというのは、バティスタ選手という相手に対して、ですか?

「いえ、実は今までも、そういう気持ちになったことがありました。でも、試合をすれば勝っていて。ただ、自分の中では試合をこなしていただけなのかもしれないです」

――……。

「僕はファイター一本で生活しています。他の仕事はしていません。自分にとって、試合は仕事の一つで、だからこそ試合も全力で挑んでいます。ただ、負けることの悔しさを忘れていたんですね……」

――負けることの悔しさ、ですか。

「はい。今の僕にとって、試合では勝つことより、練習したことが出せるかどうか。出せたらOKで、出せなかったらダメ。そんな気持ちでも勝つことができていたので、誰が相手でも『やれば勝つ』という慢心が生まれていたんだと思いますね」

――ということは、水野選手自身の中で、敗因は見つかっているわけですね。

「KO負けしたことで、勝つことへの執念や執着というものを思い出すことができました。とにかく悔しかったです。たぶん、負けてサッパリした気持ちになっていたら、その時はもう引退するべき時だと思うんです」

――確かに、そのとおりですね。

「でも前回は試合後に『なぜこんな情けない試合をしてしまったのか』、『試合への準備が足りなかった。もう1回やりたい』という気持ちがわいてきて。だから次の試合は、ここ最近の中で、一番モチベーションが高いです。試合が楽しみですね」

――現在、水野選手がMMAを戦う目標とは何なのでしょうか。

「上の舞台……RIZINや、ベラトールなど海外の盛り上がっている大会で試合をしたいです。そのためには、勝ち続けて自分の試合を見てもらわないといけないですよね」

――はい。

「ONE Championshipでは、自分の目標が達成できませんでした。返り討ちにあったというか、世界の壁の高さを痛感しました。今でも、海外でもやりたいと思っています。今40歳、年齢という問題もあるかもしれませんが、今の自分が海外でどれだけ通用するのか、試したいんです」

――水野選手といえば、プロデビュー時から海外の強豪と対戦してきました。といっても、相手はヘビー級の選手ばかりでしたが……。

「あの頃は、自分のレベルに合った試合をしていなかったと思います。デビューしてすぐ、パンクラスでブラジルの強豪と対戦して、さらにDREAMの第1回大会でミルコと試合をしたり……。ミルコ戦の後に海外で戦って、DREAMでマヌーフ戦がありました」

――メルヴィン・マヌーフに1R、キムラで一本勝ちした試合ですね。

「あの試合は、僕の中にチャレンジ精神があって。実力は相手のほうが上です。普通ならマヌーフにボコボコにされるでしょう。でも格闘技だから何が起こるか分からない、と思っていましたし、やっぱり格闘技って実力がある人が勝つのは面白くない。勝った選手のほうが強い。それが格闘技だと思うんです。今また、そういう気持ちを思い出しましたね」

――当時と今の自分を比べて、いかがですか。

「格闘技をやっていれば、良い時も悪い時もあります。今まで『もうダメだ』と思ったこともあります。でも、2年ぐらい前から岡見勇信選手を中心にプロが集まって練習していて、高いレベルで練習している中で、思うんです。昔の自分より、絶対に今のほうが強い。そういう自信があります」

――なるほど。次の試合が楽しみです。

「次の試合に向けて、やるべきことはやってきました。自分の中では、相手と1回肌を合わせているおかげで、作戦もしっかり立てられています。何一つ不安がない。次は、本当の自分を見せますよ」

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