2021/4/4 DEEP RYO選手インタビュー

2021年4月4日、大阪・コレガスタジオで開催される『DEEP OSAKA IMPACT 2021』。そのメインイベントに、元DEEP&ROAD FCミドル級王者のRYOが出場し、松井大二郎と対戦する。 RYOにとっては、これは2018年6月、ROAD FCに出場して以来の復帰戦。そんなRYOに復帰の理由、そして松井戦と今後について聞いた。

――今回の松井大二郎戦は、2018年6月にROAD FCでラ・インジェ(韓国)に敗れて同ミドル級王座を失って以来の試合となります。

「DEEPのベルトを獲得したあと、ずっと『またDEEPの大阪大会に出てほしい』と言われていたんです。そして昨年末に『大阪大会があるから……』と聞き、自分自身もそろそろ復帰する時期かなと思って、出場を決めました。自分の中で、格闘技でやり残したことがあるというか。自分がまだ出し切れていないものがあるんです」

――出し切れていないものとは?

「みんなそうだと思うんですが、練習ではできているのに、試合で出し切れていないものがある。試合で自分の納得いくものを出したい。それが出せたら、スコーンと勝ってしまうような」

――つまり、まだ納得のいく試合ができていない、と。

「そういう試合を見せられるまでは、絶対に引退できない。だから『大阪大会に出てほしい』と言われた時は、まだ相手が決まっていなかったんですけど、誰が相手でもいいから試合をしたい、と思ったんです」

――では、3年近くもの間、試合をしていなかったのは……。

「引退するとか、そういうつもりはなかったんですけど、ROAD FCで負けた後、自分の中で何かが崩れてしまったんです。やる気がなくなってしまったというか……」

――やる気がなくなってしまった?

「前回の試合(ラ・インジェ)は、自分からすれば絶対に負ける相手じゃなかったんですよ。でも負けてしまった。これは初めての経験だったんですが、ケージの中に入るまですごく緊張していて、さらにケージの中に入ってもその緊張がずっと続いていました。相手と向かい合っても、ずっと不安が晴れなかった。自分としても『これはおかしい』と感じていて」

――その緊張と不安が、試合中もずっと続いてしまった、と。

「はい。そして結果的に負けてしまった。もうこういう気持ちになるのは嫌だなぁ、と思ったことで、試合に出ることはなくなりました」

――それだけ緊張と不安が晴れなかった理由は分かったのでしょうか。

「これは最近の話なのですが、とあるジムでビジョントレーニングを受けることになったんですね。そこでラ・インジェ戦の時の脳波を測ったら、驚くべき原因が分かりました。実は試合の時に、緊張していたのではなく、頭が集中できていなかったんです」

――え、ビジョントレーニングというのは、視覚や動体視力のトレーニングではないのですか?

「一般的に知られているのは、主に目のことです。でもそれって、本当のビジョントレーニングではないんですよ」

――RYO選手が受けているビジョントレーニングというのは、視力や視覚ではなく、「視野」を向上させるものなのですね。

「はい。ラ・インジェでは、自分の中では集中していたつもりでした。でも現実的には、緊張が取れていなかった。その原因が、頭の中を集中させることができていなかった、ということなんです」

――では、集中できていなかった原因というのは分かるものなのですか?

「そこはまだ突き詰められていません。ただ、よくスポーツ心理学で『緊張のリラックスの境目』みたいなことをいうじゃないですか。集中できていると、緊張とリラックスのバランスが取れている。ではなぜ集中できていないのか、と言われたら、自分は“考えすぎ”なのかなと思うんですよ」

――考えすぎ、というと?

「正しい言い方かどうか分からないんですけど、“バカ”になれていなかった。試合で躊躇なく、思い切りよく行ける。そういう意味です。年を重ねて利口になっていく反面、そんなバカさがなくなっていたのかな、と。DEEPで中西(良行)選手と対戦した時も同じで」

――中西選手とは1勝1敗。初戦は2013年10月に判定負け、2015年10月の再戦では判定勝ちでDEEPのベルトを獲得しています。

「初戦では、ただ距離を取って戦い、ジャッジはリングジェネラルシップを評価してくれなかった。でも再戦では、僕が前に出てプレスをかけて、相手を自分の型にハメる戦いができました。その結果、中西選手がテイクダウンに入れなくなり、自分がバンバン打撃を与えることができたんだと思います。それこそ、バカになれていたんですよ」

――それは分かりやすいですね。

「再戦した頃の中西選手って、日本のミドル級では誰も勝てない、無敵の状態でしたよね。その相手に自分の型で勝てたというのは、自分自身の中に迷いがなかったからだと思っています」

――今回の松井戦については?

「KOや一本は狙っていませんが、自分の実力を出して淡々とやれば、おのずと結果は……フルラウンドまではいかないと思っています」

――今それだけの自信があるわけですね。

「でも、松井選手をナメているわけじゃないんです。僕、13年前に負けていますからね」

――2008年2月、DEEPで判定負けを喫しています。

「2008年というと自分でも、よくあんな技量でプロのリングに上がっていたよなぁと思うんです。いま考えると、技術的には『えぇっ!?』っていうレベルで(苦笑)。だから、この13年間で本当に自分が強くなったのか、あるいは13年前のままなのか。グダグダの試合になってしまうようなら、自分の実力はそんなに伸びていなかった、ということになる。松井選手との再戦でそれが分かります」

――自分との戦いなんですね。

「……こういうことを言っていいかどうか分からないんですけど、僕の中では今、UFCを目指したいとか、世界を目指したいとかっていう気持ちはないんです。今の若い選手なら『RIZINに出たい』『朝倉未来みたいになりたい』というモチベーションがあるのでしょうけど、僕にはなくて」

――すると今後の目標は?

「格闘技をやるのは45歳まで、と決めています。だから、続けてもあと2年。舞台はどこでもいい。本当にみんなが納得する相手――コイツは本当に強い相手やな、と思ってくれる相手と試合をしたいですね」

――RYO選手が打撃の指導を受けている、吉鷹弘さんのラストファイトを思い出しますね。キックボクシング中量級で最強だったラモン・デッカーと対戦し、燃え尽きてリングを降りることができたという。

「あぁ、そうですね。吉鷹先生と被るところがあるかもしれないですね。引退した後も、『自分はあんなに強い選手と戦った』と思える相手と試合したい。ファンの人にも『やっぱりRYOって強いんだな』と認知されるような試合をしたい。そのための現役復帰です。ぜひ試合を見てください」

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