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【review】RISEタイトル初防衛に成功した大﨑孔稀のvs世界の可能性 

8月31日、東京・後楽園ホールで開催されたRISE 181のメインイベントで大森隆之介の挑戦を退け、RISEバンタム級タイトル初防衛に成功した孔稀。「伊藤代表、見ましたか!」と試合後、リング上から本部席にいたRISE・伊藤隆代表に声を投げかけたところで、安堵した表情を見せると同時にようやく笑顔を見せた。

6月に大阪で行われたRISEビッグマッチRISE WORLD SERIES 2024 OSAKAで、最強の挑戦者・政所仁を相手に、パーフェクトといえる試合運びで寄せ付けず、大差を付けて2度目の防衛に成功した兄・一貴と共に、vs世界を目標にしていく中で今回決まった防衛戦。さらに前回タイトルを争い現在トップランカーの座にいる鈴木真彦。2位には昨年12月に一貴と延長にもつれ込む大接戦を繰り広げたジャルンスック・ブーンラナームエタイ(ジャルンスックの判定負け)。3位には昨年8月に対戦し、間違いなく国内トップクラスの加藤有吾といった実力者がベルトを虎視眈々と狙っている状況の中、10戦8勝(6KO)2敗でランキング4位の大森が飛び級という形でタイトル挑戦権を獲得したことで、孔稀は不満を爆発させていた。

大会前の伊藤代表の見所インタビューでも「『プロ意識は大森の方が上』、『孔稀に不満があるなら圧倒的に勝って、こういうマッチメイクをしてはいけない』と僕に伝えてほしい」といった発言を受け、「結構ムカついて。だいぶそれで見せつけたろうと思ってきました」と代表の発言に対して不満があったことを明かしている。

試合では1Rから鬼の形相の孔稀がプレッシャーをかけ、パンチ連打からの右ストレートでダウンを奪う展開に。2R以降も、徐々に多彩な攻めと手数で大森を追い込んでいく。前戦となった3月のSB日本バンタム級王者・山田虎矢太を1RKOで沈めたバックブローも時折見せて反撃する大森だったが、49-47、50-47、50-46と大差を付ける形で孔稀が圧倒し、タイトル防衛に成功した。

試合後の囲み取材で孔稀は今後について言及。前王者・鈴木真彦が金子晃大、植山征紀、江幡睦、江幡塁といった他団体の王者勢と対戦し結果を残してきたことで“王者”の強さを証明してきたが、孔稀は「いつまでも挑戦者じゃないんで、僕から名前を挙げることはない」と他団体王者との対戦には興味を示さなかった。

さらに「お兄ちゃんと世界に挑戦したい。ONEの舞台では日本人選手が次々に負けていますし、そこで勝てるのは僕たちしかいない。そういう舞台で戦いたい」と改めてONE出撃をアピールした。この発言を受けて、伊藤代表は「55キロの立ち位置を確立できたので、その先を作って行きたい。ONEとはすでに話していてONE Friday Fightsだったら向こうからの許可をもらっているので年内にも組んであげたい。孔稀はキックとムエタイルールのどちらもできるんですけど、基本キックルールで送り出したい」と年内に孔稀のONE出場のバックアップをしていきたいとコメント。

そのONEでは現在スーパーレック、ロッタン、スーパーボン、タワンチャイと各階級でタイ人選手が勢力を広げているが、ジュニア時代からタイでも戦績を重ね、プロデビュー後もルール関係なく、タイの歴戦の強者と戦いを続けてきた大﨑兄弟への期待は大きい。“世界と戦う格闘技日本代表”大﨑兄弟の世界進出へのカウントダウンが遂に始まる。

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