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【review】宮﨑小雪が元ボクシング王者にKO勝利、盛り上がるRISE女子の行方

7月26日、東京・後楽園ホールで開催されたRISE 180。メインイベントでは、3月にK-1王者の菅原美優を破り12連勝中の“日本最強”RISE QUEENアトム級王者・宮﨑小雪が参戦。

凱旋試合となる今回の一戦の対戦相手サムサン・C2M MUAYTHAI & FITNESSはWBC女子世界ライトフライ級王座、WIBAインターナショナル・フライ級王座、WIBA世界ミニマム級王座、ABCO女子ミニマム級王座を獲得した元ボクシングの世界王者だ。ボクシング戦績は48戦43勝(25KO)5敗で、58パーセントと女子ではかなり高いKO率を誇り、今年6月には天海ツナミとWBC女子ミニマム級シルバー王座決定戦を争った(※結果は判定負け)ばかりの現役ばりばりのトッププロボクサーといえる。

サムサン・C2M MUAYTHAI & FITNESSはの肩書き以上に、16 歳だった2000 年に麻薬密売により逮捕され、懲役10年の刑を受け、収監された刑務所に服役中の2007年にタイ人女子初のWBC世界王者となり、刑期が短縮され釈放されたという異色のキャリアの持ち主で、試合前から注目を集めることとなった。

リングでの戦いに目を向けると、1Rにサムソンが掟破りの右ミドルで会場を沸かせたものの宮﨑はボクサー上がりの選手に有効となるローキックで攻める。試合後に「開始直後に右ストレートを出した際に脱臼しパンチを打てなくなった」という明かしたサムソンはパンチを出すこともできない上に、ローがカットできずに足が止まる。ローを纏めて意識に足にもっていかせた宮﨑は、右フックをクリーンヒットさせてダウンを奪う。

2Rもロー集中打。そのローの痛みでガードが下がるサムソンの顔面へのヒザ蹴りを当て、コーナーに詰めてのラッシュ。左ハイをクリーンヒットさせたところでレフェリーが試合をストップした。

前日計量ではRISE伊藤隆代表から「5月に小林愛三にOFGマッチで勝ってインパクトを残した小林愛理奈に負けない試合をしてほしい」と期待を込めたメッセージが告げられた宮﨑は「私は私なので、特に(小林の試合を)意識していません」と過去に3度対戦し、勝利している小林について言及していた。「明日は小雪ワールドに染めたいと思います」という言葉通り、その通りの会場も小雪色に染める試合内容&結果となった。

勝利を決めた直後にマイクで宮﨑は、RISE女子アトム級世界王座新設を改めてアピール。「もっと強い相手と戦っていきたい。オーストラリアや台湾にも強くて上手い選手がいると思うので、そういう相手とも試合を組んでもらいたい」と海外強豪勢とのマッチメイクを希望した。

なお、今大会では宮﨑と同じ女子アトム級マッチが2試合組まれ、第1試合では元航空自衛官で空手がベースの島田知佳は、武尊がリードするteam VASILEUS所属選手としてプロデビュー戦を迎えた。対する山﨑愛琉は那須川弘幸会長率いるTEAM TEPPEN期待の存在だ。結果は、島田が持ち味のフィジカルを活かした突進力と、カーフキックやパワフルな左右のフックを強打させて判定勝ちを収めている。

もう1試合は、アトム級3位──アマチュアボクシングで実績のあるRISE女子期待のホープ小林穂夏が、SB女子上位ランカーである風羽と相対した。下馬評では小林の声が大きい中、風羽は右フックを的確に入れていく試合運びで延長戦にもつれ込む大接戦を制した。

伊藤代表は「勢いある選手同士の試合が組まれるなど、今、RISE女子が盛り上がっています。近い将来には女子だけのイベントをやりたいと思っているので、RISE女子は凄いということを見せてもらいたい」と女子大会開催を示唆するコメントを残している。

アンダーカードで登場したアトム級4選手が大きく成長し、宮﨑を脅かす存在となればまた面白い展開となるだろう。また、この日の宮﨑の試合を見て小林も燃えるものがあったに違いない。宮﨑の世界への挑戦と共に、RISE女子がまた新たなステージに向かうのか、非常に楽しみだ。

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