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【review】ターザン、KO前に腕を破壊とんでもない怪物がK-1で大暴れ中!

2月9日(日)、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された『K-1 WORLD MAX 2025』では、K-1クルーザー級(90kg)の試合に27戦27勝25KO無敗のティアン・ターザンが登場した。

 ターザンは、MMA挑戦を目標に掲げ、K-1をはじめキックボクシングのタイトルを総ナメにすることを宣言している。すでにヨーロッパのキックボクシング団体のEnfusionでは、ライトヘビー級(-93kg)&クルーザー級(-88kg)の2階級を制覇し、敵なしの状況だ。そんな中での今回のK-1参戦となった。

 今回のターザンの相手は、ブラジルのカルロス・ブディオ。K-1に多数のブラジル人ファイターを送り込むブラジリアンタイの重量級戦士で、日本では谷川聖哉、星龍之介をKOしている。ブディオは一発で相手を倒す破壊力のあるパンチを持っており、ターザンの連勝を止めると試合前に宣言していた。

 そして試合でブディオは、宣言通りに左右のフックをターザンのアゴに入れて、ダウン寸前まで追い込んだ。ターザンは万事休すかと思われたが、フラフラになりながらも立て直すと、ブディオのパンチをダッキングで見切り、蹴りから左のクロスを入れて逆転KO勝ちを収めた。終わってみれば、28勝26KOと連勝記録更新に成功した。

 劣勢に立ったことで、かえってKOシーンが盛り上がることとなったが、試合前から高熱で体調を崩し右拳をケガしていたことを告白。「30パーセントくらいしか力を出せなかった」と明かし、それでもKO勝ちするターザンは、とんでもない怪物であることが今回の試合で分かった。

 だが、それだけでは終わらず、KOする直前にターザンのミドルハイキック(腕の急所を狙うハイとミドルの中間の蹴り)が、ブディオの右腕を骨折させていたことが判明。蹴りの正確さ、パワー、スピード、カウンターのテクニック、タフさと、どの要素を見ても世界トップクラスにいることが証明されることとなった。

 しかもターザンは圧倒的に倒しにいくスタイルを確立し、クリンチで逃げるような試合を好んでいない。今のところライバル不在なのでトラッシュトークは見られていないが、彼の気性を考えると、会見の場が荒れることになるのは時間の問題だろう。

 ターザンによると、3月はEnfusionのタイトルマッチを行い、勝てば3冠王になるそうだ。5月初旬にEnfusionの防衛戦があり、5月31日のK-1で現K-1クルーザー級王者リュウ・ツァーのタイトルに挑戦したいと明言している。

 リュウ・ツァーは、K-1クルーザー級のラスボス的な存在で一昨年には無差別級トーナメントも制しK-1では6戦6勝と無敗だ。過去に1敗しているが、13戦 12勝(9KO)とターザンに負けていない。

 もしもターザンとリュウのタイトルマッチが決まれば、世界的にも注目を集めることとなるはずだ。

 しかもターザンが5月にK-1チャンピオンになれば、MMA挑戦の計画が早まる可能性はある。本人は、すでにMMAのトレーニングをしているといい、投げと寝技有りのキックボクシングルールで戦う空手コンバットへの参戦も示唆している。今後の動向が気になるところだが、「アーアアー」と雄叫びをあげて、四足歩行で走り回る彼の個性は、どこの世界でも通用しそうだ。

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