8月24日(土=現地時間)、ブラジル・ブラジリアでK-1 WORLD GP 2024 in BRASILIAが開催され、同イベント内でK-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメントが行われた。
南米予選トーナメントで注目を集めたのは、キックとMMAの二刀流ファイターとしても有名なグート・イノセンテだった。彼は2012年5月にはストライクフォースで勝利後、2014年にはUFCで2試合を経験。2016年からGLORYに参戦し、ヘスディ・カラケスを判定で下した試合を含めて4連勝を飾ったトップ選手だ。
一回戦ではジェファーソン・サルビアーノ(ブラジル)と戦い、なんと左三日月蹴り一撃でイノセンテが1RKO勝利。わずか78秒でのKOシーンに、会場は一気に盛り上がった。
そして準決勝戦でイノセンテは、こちらも一回戦をKOで勝利したアリエル・マチャドと対戦。マチャドは、昨年9月にK-1初参戦し、K-1 30周年記念無差別級トーナメント一回戦でミハル・トゥリンスキーを下して名を上げた強豪。準決勝ではリュウ・ツァーにKO負けを喫したものの、2016年から2019年までGLORYに定期参戦していた実力は本物だ。
©︎K-1
準決勝のリングにイノセンテが登場すると、会場に大きな声援が響く。この入場だけでも、彼のブラジルにおける立ち位置にいるのか分かる。だが、試合は意外な展開に。イノセンテがステップを踏み蹴りからフックを放つも、マチャドはこれに対応して絶妙なタイミングで左フックを合わせる。イノセンテは反応ができていないのか、何度もマチャドの左を被弾してしまった。
やがて、マチャドのパンチ連打でイノセンテがダウン。最後までイノセンテはKOされずに抱きついてダメージを回復する意地を見せたが、マチャドのスピードについていけないのは明白だった。事実上の決勝戦といっても良かった対決は、マチャドに軍配が上がった。
もう一方の準決勝は、一回戦を判定で勝ち抜いたウェズレイ・コタスとアンデルソン・ブラドックが激突した。ブラドックはブラジルからオランダへ渡り、ピーター・アーツを生んだチャクリキジムでキャリアを積み、GLORYやONEで活躍したブラジルのレジェンドだ。この試合でブラドックは3Rにボディへの攻撃でコタスからダウンを奪い、判定勝ちをものにした。
©︎K-1
決勝は、マチャドとブラドックの顔合わせ……、となるところがアクシデントが発生しブラドックが負傷欠場に。一回戦でブラドックに判定で敗北したジョニー・クレバーが代わりに出場した。
波乱となったトーナメントは、決勝でマチャドが期待通りの動きを見せて3度のダウンを奪うKO勝ちを収め、南米予選トーナメントを制した。マチャドが、再び日本へ向かうこととなる。
12月14日に東京で開催のK-1WGP決勝トーナメント進出をかけた世界予選は、今回の南米予選トーナメントが最後。マチャドが昨年の無差別級トーナメント準決勝敗退の雪辱を果たすことができるのか、注目したい。
<K-1WGP南米予選トーナメント記録>
[K-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメント・一回戦(1)/3分3R・延長1R]
〇アリエル・マチャド(ブラジル/Hemmers Gym/Madison Team)
KO 2R1分21秒
●アブネル・フェレイラ(ブラジル)
[K-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメント・一回戦(2)/3分3R・延長1R]
〇グート・イノセンテ(ブラジル)
KO 1R1分18秒
●ジェファーソン・サルビアーノ(ブラジル)
[K-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメント・一回戦(3)/3分3R・延長1R]
●ハイメ・モライス(ブラジル)
判定0-3
〇ウェズレイ・コタス(ブラジル)
[K-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメント・一回戦(4)/3分3R・延長1R]
〇アンデルソン・ブラドック(ブラジル)
判定2-1
●ジョニー・クレバー(ブラジル)
[K-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメント準決勝第1試合]
〇アリエル・マチャド(ブラジル/Hemmers Gym/Madison Team)
判定3-0
●グート・イノセンテ(ブラジル)
[K-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメント準決勝第2試合]
●ウェズレイ・コタス(ブラジル)
判定0-3
〇アンデルソン・ブラドック(ブラジル)
[K-1 WORLD GP 2024無差別級南米予選トーナメント決勝]
〇アリエル・マチャド(ブラジル/Hemmers Gym/Madison Team)
KO 3R0分00秒
●ジョニー・クレバー(ブラジル) ※アンデルソン・ブラドック負傷欠場のため代役出場