9月27日（金・現地時間）タイはバンコクのルンピニースタジアムにてONE Friday Fights 81が開催され、日本から武尊、秋元皓貴、小笠原瑛作、陽勇の4選手が出場する。

今大会はONE FF（ONE Friday Fights）シリーズのテントポール大会と呼ばれ、通常よりも豪華なマッチメイクが並ぶ大会として知られている。最近のONE FFはタイでの中継スケジュールに合わせ、前半は外国人選手、後半はタイ人選手中心の試合順になっており、日本人4選手はすべて前半戦に登場。各選手ともにそれぞれのテーマを持って、今大会のリングに立つ。

昨年ONE Championshipとの契約を発表し、今年1月のONE日本大会でスーパーレックと死闘を演じた武尊がONE2戦目を迎えた。対戦相手は当初ONE FFで3連勝中のブラック・パンサーを予定していたが、ブラック・パンサーの欠場を受けてミャンマーのタン・ジンと対戦することとなった。当初対戦予定だったブラック・パンサーは蹴り主体のスタイル、逆にタン・ジンはミャンマーラウェイ出身のパンチ主体のスタイルだ。

武尊にとっては対戦相手変更という事態にはなったものの、好戦的なスタイルのタン・ジンの方がファイトスタイル的に噛み合う部分もある。武尊自身は「噛み合うということは、こちらが攻撃をもらうリスクもある」と警戒しつつ「ONEと契約して連敗は許されないし、今は勝ちに飢えている。泥臭くても勝ちたい」と必勝を誓う。

武尊同様、試合内容以上に勝利へのこだわりを語ったのが元ONEキックボクシング世界バンタム級王者の秋元だ。元ONEキックボクシング世界フライ級王者イリアス・エナッシとの元ONE王者対決に臨む秋元は現在2連敗中。2022年3月のペッタノン戦以来の勝利へ向けて「今回は泥臭く、エナッシの嫌なこと嫌なことをどんどんやる。エナッシのいいところを消す」と武尊と同じく“泥臭くても勝つ”と語っている。

小笠原は今回がONE FFは4戦目、ここまでの戦績は3戦2勝1敗と勝ち越している。昨年8月のONE FF初参戦以降、小笠原がONEと日本での主戦場KNOCKOUTで戦った試合はすべてMMAグローブ着用のムエタイルールで、格闘家としての一つのゴールとしてONEのムエタイルールでのベルトを掲げている。今回はONE FF常連ファイターのリッティデット・ソー・ソンマイとの対戦となったが、ここはしっかりとクリアしてベルトへの道を突き進みたい。

そしてRISEで6戦6勝の戦績を誇る陽勇がONEに初参戦、ユセフ・サードを相手にデビュー戦を戦う。武尊・秋元・小笠原が出場する大会で新たな日本人選手として存在感を見せられるか。

日本人選手が名を連ねた前半戦だけでなく、タイ人中心の後半戦にも注目カードが並んだ。ONEキックボクシング世界フェザー級暫定王者スーパーボン×ジョー・ナタウットのムエタイ戦をメインイベントに、元ONEムエタイ世界バンタム級王者ノンオー・ハマ 、元ONEキックボクシング&ムエタイ世界ストロー級王者サムエー・ガイヤーンハーダオと歴代王者が並び、日本で那須川天心と対戦した元ルンピニースタジアム3階級王者のスアキム・ソー・ジョー・トンプラジン 、日本での活躍を経てONE FFの人気ファイターとなったジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリー ×スリヤンレック・ポー・イェンインの激闘派対決も組まれている。

日本人選手以外でも、ONEムエタイの奥深さを堪能できる、最先端のONEの立ち技格闘技を知る大会になったと言っていいだろう。