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【preview】二度目のONE米国大会、進化するスーパーレックがハガティーと激突

昨年5月にデンバーで開催されたONE Championship初のアメリカ大会。あれから1年4カ月、アメリカ再上陸となる9月6日(金・現地時間)ONE 168「Denver」では、全11試合が組まれている。そのなかでメインイベントのリングに立つのはジョナサン・ハガティーとスーパーレック・キアトモー9、ハガティーが保持するONEバンタム級世界王座をかけた一戦だ。

ONEバンタム級でキック&ムエタイの2冠を保持するハガティーにとってはムエタイ王者としての2度目の防衛戦であり、ONEキックボクシングフライ級世界王者のスーパーレックにとっては階級をあげてムエタイルールでのベルトに挑む形になっている。

ハガティーはデビュー間もない頃から強豪選手として注目され、2019年からONEに参戦。同年5月にサムエー・ガイヤーンハーダオに判定勝利してフライ級ムエタイ世界王者となるも、8月の初防衛戦ではロッタン・ジットムアンノンに敗れて王座陥落。翌2020年1月のロッタンとのリマッチにも敗れて、バンタム級に転向する。

バンタム級転向後は連勝街道を突き進み、2023年4月にノンオー・ハマをKOしてムエタイ王座、11月にMMA王者ファブリシオ・アンドラージをKOしてキック王座のベルトを巻き、2冠王に君臨している。ハガティーの強さは何と言っても立ち技ファイターとしての完成度の高さ。パンチ、蹴り、ヒジ、ヒザ、首相撲とあらゆる技術のレベルが高く、ムエタイのトップファイターにひけをとらないテクニックを誇る。

対するスーパーレックはルンピニー王座をはじめムエタイで輝かしい実績を残し、ハガティーと同じ2019年からONEのリングにも上がるようになる。2020年のフライ級ムエタイワールドGPで優勝を果たすと、2023年1月にダニエル・プエルタスに判定勝利してONEキックボクシングフライ級世界王座を獲得。今年1月のONE日本大会では武尊との大激闘を制し、2度目の王座防衛に成功している。

ハガティーとスーパーレックは2018年10月にファイトギア・メーカーで、欧州やタイ&日本でもイベントを開いているYOKKAOを舞台とし戦い、2Rにスーパーレックが縦ヒジでハガティーの左目尻をカットさせてドクターストップで勝利している。この試合から約5年、今回は同じムエタイルールでもMMAグローブ着用のONEムエタイでの再戦という図式だ。

ともに初対戦時から成長したうえでの再戦だが、特にスーパーレックはONEでヒジ・首相撲なしのキックルールを経験して新たな武器を身につけて、自分のファイトスタイルを変化させてきた。キックルールに必要なステップ・フットワークを学び、パンチの技術を伸ばしたことはスーパーレックの闘いの幅を増やした。

タイトル前哨戦となった6月のONE Friday Fights 68でのゴントーラニー・ソー・ソンマイ戦では、ゴントーラーニーのガードの間にねじ込む右アッパーやパンチからのヒジにつなげるコンビネーション、蹴りに対するパンチのカウンター、さらには三日月蹴りも突き刺すなど多彩な技の引き出しを見せて判定勝利している。

とはいえ今回はハガティーの階級に合わせる形の試合であり、ハガティーも直近3試合ですべてKO勝ちするなど、上手さだけでなく倒せる力を試合で見せている。そこにプラスして体格的なアドバンテージがあることは間違いない。スーパーレックがテクニックでそこをどう攻略するかに注目だ。

また今大会は後半3試合がハガティーVSスーパーレック(ムエタイ)、マイキー・ムスメシVSベベット・オリベイラ(サブミッション・グラップリング)、リアム・ハリソンVSセクサン・オー・クワンムアン(ムエタイ)とMMA以外の試合が並んでおり、アメリカ向けにMMAに特化しない通常仕様のラインナップだ。そのなかでキック&ムエタイのトップ・オブ・トップであるハガティーとスーパーレックには立ち技格闘技の魅力や技術レベルの高さが伝わる試合を期待したい。

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