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【preview】和田竜光のオタツロック“以外”を見よ!ONE FNに2人の日本人が参戦

7月6日(土・現地時間)タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 23: Ok vs. Rasulov」では日本から和田竜光と箕輪ひろばの2選手が参戦する。

2023年3月のアーネスト・モンティーリャ戦以来、約1年4カ月ぶりに和田竜光のONE参戦が決まった。和田は2018年7月からONEに参戦し、ここまで11戦を戦って6勝5敗の成績を残した。勝敗だけを見ればほぼイーブンの戦績だが、デメトリウス・ジョンソン(2019年8月)をはじめ、グスタボ・バラルト、ダニー・キンガド、リース・マクラーレンといったONEフライ級のトップ選手たちとしのぎを削ってきた。

今年1月のONE日本大会出場も強く望まれた和田だが、契約切れのタイミングと重なっていたこともあって出場は叶わず。ONEと再契約を果たす形で復帰戦を迎えた。

試合からは遠ざかっていた和田だが、この期間は“オタツロック”(※足を四の字クラッチして、対角線の足をフックする形のシングルバック)の生みの親として名前を聞くことも多かった。

特に平良達郎が6月15日の「UFC Fight Night: Perez vs. Taira」のメインイベントでアレックス・ぺレスと対戦した際、スタンドでバックをとりオタツロックから倒れ込んだことで、右膝を破壊して戦闘不能に追い込んだことで、オタツロックの有効性と和田の名前がさらに広く知られることになった。

そんな和田だが、今回の復帰戦ではあえてオタツロック以外の部分にストライキングに注目してもらいたい。オタツロックで和田のことを知ったファンにとっては和田=バックキープが得意なグラップラーという印象があるかもしれないが、和田は堀口恭司が朝倉海をカーフキックを効かせてKOする以前からカーフキックを使いこなすなど、多彩な打撃のバリエーションの持ち主だ。

特に右ストレート・右フック・右アッパーの使い分けが巧みで、モンティーリャ戦での一本勝ちはモンティーリャのタックルに右フックを合わせてバックを取ってからRNCを極めたもの。2018年11月のユージーン・トケーロ戦の秒殺一本勝ちも右カーフを蹴って、飛び込むような右ストレートを当ててからバックを取ってのRNCだった。この右を効かせるのはもちろん、右の打ち分けから組みつく動きも非常にスムーズで、右を起点にしたテイクダウンやグラウンドへの移行もMMAにおいて大きな武器になっている。

和田と対戦するシェ・ウェイも2019年からONEに参戦し、約1年のブランクを経ての復帰戦となる。直近2試合はリース・マクラーレンと若松佑弥に連敗しているものの、ONE戦績11戦8勝3敗のうち8勝すべてKO・TKOという驚異的なフィニッシュ率を誇る。敗れたマクラーレン戦でも先に強烈な右フックでダウンを奪っている。和田・ウェイともにランキング外の選手ではあるが、試合間隔が空いていてランキング入りする機会がなかっただけで、実力的にはランカー対決と言っても過言ではない。

和田のオタツロックが決まるかどうかはもちろん、そこに行きつくかどうかの濃厚なMMAの展開や攻防を楽しみにしたい一戦だ。

箕輪ひろばは1月のONE日本大会以来の試合で、ジェレミー・ミアドと対戦する。日本大会ではグスタボ・バラルトにスプリット判定で敗れている箕輪だが、バラルトのローブローやバッティングを受ける場面もあり、100%の力を発揮した試合ではなかった。

バラルトに敗れる前戦=ボカン・マスンヤネ戦も2度のローブローを受けた上での判定負けだった。アクシデント含みの試合が続いている箕輪だが戦績上は3連敗、2021年3月のアレックス・シウバ戦を最後に勝ち星から遠ざかっている。

対戦相手のジェレミー・ミアドは3月のONEカタール大会で山北渓人に一本負けし、箕輪と同じく3連敗で今回の一戦を迎える。トップ戦線を目指す上で、これ以上負けが許されない両者の対戦となれば、負ければ脱落という生き残りをかけたシビアな戦いだ。

箕輪にとって前回は自分より身長が10cm低いバラルトとの対戦で、今回は10cm高いミアドとの対戦となる。全く異なるゲームプランが必要となる一戦だが、同階級の日本人ライバル・山北との比較という部分でも明確な勝利が求められる。

最近はONEで世界のトップを目指す日本人キックボクサーが注目されることが多いが、和田・箕輪にはONEで戦う日本人MMAファイターとしての存在感も示してもらいたい。

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