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【preview】やはり強かったターザン 27秒の一撃KOの衝撃は大きかった!

12月14日(土)、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催した『K-1 WORLD GP 2024』で、26勝24KO無敗のティアン・ターザンがK-1初参戦で、わずか27秒KOという記録を叩き出した。

ターザンは、Enfusionライトヘビー級(-93kg)&クルーザー級(-88kg)王者で、野性味溢れるところから“ターザン”と呼ばれるようになり、本人が気に入ってリングネームで使用しているという。

対戦相手のRUIは戦前からターザン圧勝と言われるほどの実力差があったとはいえ、KOシーンにつながるテクニックは、圧巻といえた。

ゴングが鳴ると、ターザンは飛び込んでのスーパーマンパンチ。RUIはこれに反応して右ストレートのカウンターを放つ。だが、ここでターザンは下がりながら左ストレートをアゴに的中。RUIはバッタリと倒れて、そのまま立つことができなかった。

RUIは試合後、「まったく記憶がなく覚えていません」と話していたが、下がりながらアゴを打ち抜くカウンターのパンチを食らってしまったのだから、それは仕方がないことなのかもしれない。

それにしてもキックボクシングを始めて、まだ5年というキャリアながら、この強さと強烈なキャラクターに旧K-1時代のトップファイターの姿が重なってしまうのはなぜなのだろうか。

ターザンは必ず「アーアアー」と叫び、会見ではボア付きのコートを着て登場する。これ、まさしく“ジャングルの王者”ターザンの世界観で、お客さんに分かりやすく伝える意味でもセルフプロデュースが完結している。発言も「秒で倒す」や「俺の敵ではない」といった、こちらが求めている答えが返ってくるところも完璧だ。

 聞けばターザンは、コナー・マクレガーやアレックス・ペレイラ、イスラエル・アデサンヤを見て刺激を受けているといい、キックボクシングの王になってから、MMA進出を視野に入れていることをすでに明言している。来年はMMAの練習を本格的にやっていくそうで、K-1を制してからUFCを狙っていくということなのだろうか。

面白いのは、彼はGLORYやONEからの熱烈オファーがあっても、あまり興味がないという。ONEには自分の階級がないといい、GLORYは試合数が少ないことに不満があるようだ。23歳の彼は最短でキックボクシングの真の世界王者になり、暴れるだけ暴れ、今度はMMA市場へ殴り込みをかけるという算段なのだろう。

今は、値を上げるためのいわゆる投資の期間で、ファイトマネーよりも経験を優先している印象だ。キックボクシングで実績を作り、MMAファイターへ進化する道は、今のトレンド。レスラー、柔術家がそうしてきたように、キックボクサーがMMAの頂点に君臨する。その後をターザンも追っているというイメージか。

だとすれば、ターザンを日本で見られる貴重な体験を私たちはしているのかもしれない。

来年は、マハムード・サッタリ、リュウ・ツァーといったK-1を代表する世界トップ選手がターザンの前に立ちはだかることになりそうだが、そこをクリアしたら、四角いジャングルから八角形のジャングルに舞台が変わることになるのか。

無敗街道をどこまで突き進むことになるのかも含めて、ターザンの言動から目が離せなくなりそうだ。

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