7月7日(日)、大阪府豊中市の176BOXでGLADIATOR 027が開催される。12日(金)に配信限定イベントとして行われるGLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj」と併せて、グラジエイター史上最強ともいえるマッチメイクが揃った。
現在、国内MMAではバンタム級に注目が集まっている。堀口恭司がフライ級に戻り、朝倉海がUFCとの契約を発表しても、RIZINを中心とした国内バンタム級の層の厚さは変わらない。今回のGLADIATORのメインでは、竹本啓哉と竹中大地が同級王座を賭けて対戦することとなった。
王者として竹本を迎え撃つ立場の竹本が、初めてベルトを巻いたのは2020年2月のこと。しかし防衛戦で計量オーバーのため王座を失ったあと、昨年9月にモンゴルのテムーレン・アルギルマーを判定で下し、再びベルトを獲得している。対して、MMAにおける実績と評価、知名度でいえば竹中のほうが上だろう。実際、竹本はベルトを下した大会で竹中がグラジ参戦を発表した時、「ヤベェのが来た」と思ったという。
その竹中は昨年12月、竹本にベルトを奪われたテムーレンと対戦し、左ミドルを効かせてからRNCで仕留めた。同じテムーレン戦を相手に竹本は判定勝ちで、竹中はフィニッシュしている――という結果だけ見れば竹中有利と考えられるかもしれないが、そう簡単にはいかないのがMMAの面白いところ。竹本、竹中はともに「テムーレン戦の試合内容と結果を比較しても意味はない」といった旨の発言をしている。
竹本は竹中について「フィジカルが強い。だから、あれだけ打撃にもブレがない」、対する竹中も竹本に関しては「打撃の距離のコントロールも巧い」と見ている。互いにサウスポーで、竹中は左ストレートと左ミドルを軸に、前に出て来るだろう。竹本はテムーレンでも見せた右ジャブとテイクダウンのコンビネーションで、いかに自分の距離と位置取りを保つか。その意味ではレンジとスタンスという、MMAらしい攻防がポイントとなる。
竹中の左ミドルをはじめとする蹴りについては、竹本も蹴り足をキャッチしてグラウンドに持ち込むことには自信を深めているようだ。とはいえ高速バックテイクとセットアップの速さには定評がある竹中だ。さらに今回の試合に向けて、昨年のJBJJF全日本柔術ミドル級王者であり、グラップリングでも実績のある柔術家チアゴ・ハタダとマンツーマンで寝技の練習に取り組んでいる。竹本がボトムからの足関節、スイープ、横三角からのフィッシュを得意としていることも承知の上だろう。
MMAという競技において、フルラウンド戦うことを想定して相手の弱点を突くのは当然ともいえる。しかし今回は、相手の武器を研究したうえで強みを潰していく――まさにMMAらしい真っ向勝負が期待できるタイトルマッチだ。さらにチャレンジャーシリーズでは、もはやグラジの門番となっているテムーレンが、バンタム級期待の新鋭・南友之輔と対戦することも見逃せない。南がテムーレンを乗り越え、竹本×竹中の勝者に近づくことができるかどうか。現在の南の実力と、バンタム級の流れが見えるマッチメイクとなっている。
さらに今大会からフェザー級次期挑戦者決定トーナメントもスタートする。現王者の河名マストはRoad to UFCに出場中で、このまま河名がRTUを制しUFCと契約すれば、次の王者誕生にも繋がるトーナメントとなっている。昨年から「大物日本人選手」の参戦が続くグラジで竹中大地、上久保周哉に加えて、松嶋こよみも登場。初戦はCSのメイン、モンゴルのソドノムドルジ・プレブドルジとのトーナメント1回戦が決まった。
一方、GLADIATOR027では同トーナメント1回戦として、中川皓貴×チハヤフル・ズッキーニョスの日本人対決が行われる。ズッキーニョスが現在、中川のチームメイトであるハンセン玲雄、石田拓穂を連続KOしている。中川らが所属する総合格闘技Reliableでは、中川に「お前が負けたら終わりやからな」と発破をかけているという。京都のMIBRO(ズッキーニョス)、神戸のReliable(中川)が関西MMAのトップを争い、松嶋ほか関東=CSから上がってくるファイターと対戦する、MMAの関が原が近づいている。