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【コラム】【あの頃君を追いかけた⑤】富士登山に初挑戦した那須川天心のツイート「色々なハプニングもありました」の真意(執筆者:安村 発)

「天心いる? 天心に変われ!」と電話口からまさかのSさんの怒鳴り声が聞こえるので、何事かと思った私は「ど、ど、どうしたんですか!?」と尋ねた。「この登山は中止だ。みんな登らないで下りてこい」とむちゃな要求。倒れた仲間が続出している中で介護もせず、天心御一行が登り続けていることにSさんは段々と腹を立てていったようだった。

天心メンバーにそれを伝えると、途中で離脱したメンバーは自力で下山し、麓で待ち合わせするという事前約束事があったという。

まだ体力のある生存組の一人は「何で僕たちが計画したものなのに大人の都合で辞めないといけないのでしょう」と泣き出す者もいた。

天心はというと『関係ないっしょ気持ちっしょ』とこ言ったかどうかは定かではないが、「今8合目まで来ているので、Sさんが何を言おうと僕らは登頂してきます」と、大人の力には屈しないという毅然な態度だった。どんな障害があろうと、やると決めたら最後までやり切らないと気が済まない天心のその姿に、感動すら覚えたものだ。が、かくいう私はというとSさんとの今後のお付き合いもあるので、まさかの登頂ゴールを目の前にして下山の道を選ぶことに。

その後、私がSさんに説教を食らっているなか、天心御一行は11人中5人だけが登頂成功し、富士登山は終了となった。

2015年8月27日の天心の富士登山ツイートを拝見すると「富士山! 登ってきました!! しかも御殿場コースで一番キツいところです。色々なハプニングもありましたが皆で乗り切る事が出来ました! 最初は11人いたメンバーが最後は5人! かなり過酷でした。また登りたい!とは思いません(笑)」との投稿があった(笑)。

私も最後まで登り切りたかったが、まあ、怪我人もなく無事に皆さん下山できたから良しとするか~。

数日後、強制下山させたことを悪く思ったのかSさんから「お前、男として富士山に登らないままで終わっていいのか!? またチャレンジするぞ」との電話があり、『下山したのはアンタのせいだろうが』と突っ込みたかったが、体調不良で下山したNさんと、某(ボウではなくヴィと読む)女性格闘家、私とSさんの4人で御殿場ルートでの富士登山を行い無事に登頂している。

その後、富士山パワーを得た天心といえば、皆さんご存知のように連勝無敗を現在も記録更新中。天心の話を聞いて何か心に突き刺さるものがあったが、天心のお母さんの由美子さんも毎年、ピンで御殿場ルートでの富士登山を慣行し、絶好調のようだ。それにしても女性一人で御殿場をセレクトするパワフルぶりが凄い……。

この富士登山がきっかけとなって、何度か取材を兼ねTEPPENジムのメンバーとの富士登山や、私が現在チャレンジ中の日本百名山制覇チャレンジ(現在74座登頂済み)につながっているので天心には感謝しかない。

一緒に富士登山した天心の父・那須川弘幸会長は「登山は人生そのもの。苦しいことの連続だけど、登り切った時に感動がある」と言われており、まさにその通りだなとしみじみと感じさせられるものがある。

ちなみに私は現在、今月19日校了の雑誌の締め切り日に向けて原稿の山に悪戦苦闘中なのであった……。

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