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【review】RISE世界トーナメントで原口健飛と白鳥大珠が初戦敗退、2025年に逆襲始まる

 かつてK-1で行われたワールドクラスのヘビー級のワンデートーナメントで優勝候補と言われていた選手がダークホースに敗れる波乱が何度か起こったことで“K-1トーナメントには魔物が潜んでいる”と言われていたものだが、K-1とは対極な団体であるRISEのリングでは果たしてどうだろうか。
 2024年12月21日、千葉・幕張メッセ イベントホールにて『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2024 FINAL』が開催され、世界も注目する-65kg世界最強決定トーナメント「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」が遂に開催された。
 トーナメント出場メンバーはRISE推薦選手4名、世界最高峰のキックボクシング団体「GLORY」推薦選手4名の計8名により、ワンデーで優勝が争われ、出場メンバーは、RISEから原口健飛、白鳥大珠、RISE世界スーパーライト級王者チャド・コリンズ(オーストラリア)、RISEスーパーライト級1位・イ・ソンヒョン(韓国)が出場。GLORYからは、GLORY世界フェザー級王者ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)、そしてミゲール・トリンダーデ(ポルトガル)、エイブラハム・ヴィダレス(メキシコ)、ベルジャン・ペポシ(アルバニア)のGLORY上位ランカーの3選手が名を連ねた。優勝候補は選手、関係者の大半が原口から3度も勝利しているペットパノムルンを予想し、ダークホースは日本人選手2名か。RISEのリングでは様々な強豪を倒してきている原口と白鳥だが、今回のトーナメントで世界との差を目の当たりにすることになる。
 まず一回戦でいきなりペットパノムルンと対戦した白鳥はローブローと度重なるバッティングのアクシデントで消耗しながらもフルラウンド戦い抜いたが、ペットパノムルンの左ロー、ヒザで削られるだけでなく、圧倒的なパワーを前に転ばされる場面が多く大差の判定負け。
 一方、原口は同じく一回戦で超新星トリンダーデと対戦し左インローでペースを握ったかに見えたが、左インローにカウンターの右ストレートを合わせられ1R残り1秒でまさかのKO負けとなった。
 その後、RISEのリングには魔物が潜むこともなく、決勝戦でトリンダーデを破ったペットパノムルンがぶっち切りの優勝を果たした。
 試合後、キャリア初のKO負けを喫した原口は“悔しい”との言葉を連発し「強くなるために場数を踏んでいきたい」といい、白鳥は「改めて世界トップの強さを実感したんですけれど、そこで戦って行きたいって気持ちがあるので。今日戦って得たことを心に置き留めて復活したい」と悔しさを堪えきれず涙を流した。
 今大会の前日の20日にはタイ・ルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 92』で元K-1王者・野杁正明が出場するも、日本では無名のリウ・メンヤン(中国)からダウンを奪われて判定負けを喫したばかり。
 明らかな世界との差を突き付けられた12月の格闘技界だったが、12月26日のシュートボクシングでGLORY世界ライト級3位ゲリック・ビレット(フランス)から判定勝ちした海人は試合後のインタビューで「野杁選手も(原口)健飛君もこんなもんじゃない。2人とも同じ相手ともう一度やれば、絶対に同じ結果にはならないはず。2025年はみんなに期待してほしいです。僕を含めて日本人格闘家はこんなもんじゃない」という。
 日本の精神科医・随筆家の斎藤茂太の名言でこういう言葉がある。
“人間、どん底まで行けばしめたもの。後は上がるだけさ”
 2025年、日本人ファイターの逆襲がここから始まる。

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