7月7日(日)、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催の『K-1 WORLD MAX 2024』のK-1WORLD MAX-70kg世界最強決定トーナメントに、“時をかける鉄人”ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)が参戦することが発表された。
現在42歳のブアカーオは、K-1 WORLD MAXを2004年と2006年に制している。2004年のMAX世界大会は、奇遇にも今回と同じ7月7日。もしもブアカーオが優勝することになれば、20年前と同じ記念日に世界王座戴冠となる。
だが、今回のMAXは現世界チャンピオンのオウヤン・フェンはケガで欠場となったものの、現在の精鋭7人のトップファイターが揃っている。
とくにブアカーオの決勝トーナメント初戦となるストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア)は、元GLORYライト級(-70キロ)2位で、17年にはGLORY世界ライト級王者のティジャニ・ベズタティに勝利し、22年12月の初来日では、RISEのリングでシュートボクシング王者の海人と激闘を繰り広げた強豪だ。レジェンドといえども、簡単に勝てる相手ではない。
今年3月のRIZINのキックルールで木村ミノルをKOしたばかりのブアカーオでも、K-1ルールでストーヤンに勝てるかどうかとなれば話は別。パワーと経験のあるブアカーオがストーヤンの攻撃パターンを掌握するのが早いか、それともストーヤンが多彩なコンビネーションで伝説を崩すのが先か、初戦から目の離せない展開が待っていそうだ。
仮にブアカーオが初戦を勝ち上がったとしても、準決勝では190センチの長身のデング・シルバ(ブラジル)と和島大海をKOしたダリル・フェルドンク(オランダ)の勝者と戦わなければならない。シルバもしくはフェルドンクを攻略するのは至難の業で、どちらが相手でもブアカーオは苦戦することになりそうだ。
そして反対のブロックでは、“ロシアの船乗り”ヴィクトル・アキモフ(ロシア)と“モンキーキング”ロマーノ・バクボード(スリナム)が対戦。ストーヤンを破ったカスペル・ムシンスキ(ポーランド)と“チンギス・アラゾフの愛弟子”ゾーラ・アカピャン(アルメニア)が激突する。
下馬評ではムシンスキとアカピャンの勝者の決勝進出が濃厚という声もあるが、どちらにしても一日で3戦目となる42歳のブアカーオが、彼らに勝てるのかは未知数だ。ブアカーオならば、それでも勝ちそうな気もするが、現実はそんなに甘くはないだろう。
かつてブアカーオとライバル争いをした魔裟斗はタイでブアカーオのミット蹴りを受け「以前より重くなっている」と驚いていたが、はたしてMAXの頂点まで辿り着くことはできるのだろうか。
もう一つの注目は、-55キロ級の世界最強トーナメント開幕戦だ。このトーナメントには、現世界王者の金子晃大、金子とライバルの玖村将史、Krush王者の璃明武、超新星の大久保琉唯がそれぞれ海外強豪を迎え撃つ。
とくに今回初参戦となるクンクメールから送り込まれた、最強王者のカン・メンホンがどこまでK-1ルールに順応できるのかがポイントになりそうだ。メンホンは、いきなり初戦で金子と対戦するこことになるため、“1RにKOされるのでは?”という声も出ているが、打たれ強く気持ちが折れない選手が多いクンクメールの王者が、番狂わせを起こす可能性は十分にありそうだ。
2大トーナメントの他にも、第6代K-1 WORLD GPライト級王者の与座優貴と“ムエタイ大魔神”第4代K-1 WORLD GPライト級王者のゴンナパー・ウィラサクレックの新旧王者対決などもあり、見逃せないラインナップが揃っている。