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【review】まだ強い“エロジマン”K-1ルーマニア大会で金脈発掘も

 6月13日(木)、ルーマニア・ガラツィで「K-1 FIGHTING NETWORK ROMANIA 2024」が開催された。

 メインイベントに登場したのは、旧K-1時代“エロジマン”の愛称で親しまれた38歳のエロール・ジマーマン。もはやファイターの峠を越したのでは?とも思われたが、変わらぬ強さを見せた。

 当初、ジマーマンの相手はリコ・ヴァーホーベンのスパーリングパートナーを務めているデクスター・スイスだったが、ギリシャのマイク・カラマスケタスに変更された。

 試合開始とともに右ローキックを放つジマーマン。ローキック2発目でカラマスケタスは大きくバランスを崩し、ディフェンスができていない印象。プレスをかけ続けるジマーマンは、パンチからローキックにつなげてダメージを与えていく。カラマスケタスは鋭いパンチを返すも、ジマーマンはバックステップでかわした。

©︎K-1

 ジマーマンはローキックを2発入れると、カラマスケタスはコーナーに下がってしまう。レフェリーがダウンを宣告し、カウントを数えるもカラマスケタスは戦意喪失。そのままジマーマンの1RTKO勝ちとなった。

 また日本からはAKIRA Jrが参戦し、オランダのレアンドロ・ディクモエと対戦した。ディクモエは、今年3月にルーマニアの「King of Kings」でセルゲイ・マスロボイエフと対戦した強豪で、この試合でもその強さを見せた。

©︎K-1

 AKIRAは、右カーフキックを蹴っていくも、すぐに距離を詰められて左右のフックをもらってしまう展開に。アゴを守るも、側頭部の辺りにパンチの強打がヒットしていく。AKIRAも右のカウンターを入れるも、ディクモエの突進を止められない。とくに右の強打と、そこからつなげるヒザ蹴りがやっかいだ。

 1R終盤、右をもらってバランスを崩したAKIRA。バッティングかヒザ蹴りか、それともパンチをもらったためか左目上から出血。それでもAKIRAは右カーフ、そして右のカウンターで意地を見せた。

 2Rが始まるとAKIRAは、真っ向からパンチで打ち合った。だが、ディクモエの右をもらい、ついにダウン。立ち上がって打ち合うも、最後は左をもらいKO負けを喫した。

 AKIRAは前日計量後に「計量クリア。格闘技人生の集大成。やれることはやってきた。必ずやり遂げる。俺は俺を信じてる。応援してくれてる人の思いを全て背負って。今の自分が一番強い。試合が楽しみで仕方がない」と自身のXで覚悟を明かしていたため、残念な結果に終わった。

 その他の試合で目立ったのは、ミドル級(83kg)で行われたステファン・オルザ(ルーマニア)とディオニシス・セリフィ(ギリシャ)の一戦だ。オルザはGLORYの77kgで戦ってきた強豪で、これまで21勝(8KO)2敗と好成績を残している。2敗のうち1敗は、GLORYウェルター級世界王者のチコ・クワシなので、世界トップレベルにいるといっていいだろう。

 サウスポー構えのオルザは強烈な左ミドルキックでセリフィの動きを止めると、左ストレートをアゴの直撃させる。何発か耐えていたセリフィだが、左をもらいダウン。立ち上がるも、セリフィはボディブローを受けて二度目のダウン。そのままテンカウントを聞いた。

 オルザは75kgから83kgまでは戦えるようで、第2代K-1 WORLD GPミドル級王者の松倉信太郎との試合をぜひ日本で実現してもらいたい。

 怪物発掘の目的でリスタートしたFIGHTING NETWORK第一弾はKOも多く、ステファン・オルザという金脈も頭角を現し、収穫のある大会となった。

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