6月15日(土)に大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪第一競技場でRISE WORLD DERIES2024 OSAKAが開催される。
数年前のRISE軽量級戦線といえば、那須川天心のみが無双の強さを見せ付け、2015年5月31日~2018年7月までの約3年間という長期に渡りバンタム級(-55kg)王座を保持し続けてきた。その後。2018年11月から新設されたスーパーフライ級(-53kg)、2022年10月から新設されたフライ級(-51.5kg)の二階級で田丸辰が王座に君臨。あれから2年、この2階級では選手層も厚くなり始め、誰が天下(=ベルト)を獲ってもおかしくない戦国時代の世が到来したといっても過言ではないだろう。
3日後に迫ったRISEのビッグマッチ『RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA』では、軽量級で天下分け目の一戦が繰り広げられようとしている。
メインイベントで行われるのは、 RISEスーパーフライ級王者・大﨑一貴が、政所仁を挑戦者に迎えての防衛戦。ジュニア時代からトップ戦線で活躍していた大﨑はプロデビュー後、様々な団体でキャリアを重ねて2020年2月からRISEを主戦場に。同年9月には田丸を破って第2代スーパーフライ級王者に。その1カ月後の10月には、RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント優勝者の風音にも判定勝ちして53kg最強を証明。その後の勢いは止まらず、ISKA世界王座を奪取するなど、19連勝をマークした。
しかし、2023年7月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」の準決勝で田丸に僅差の判定で敗れ、20連勝ならず。同年12月にムエタイ強豪ジャルンスックを延長戦の末に破って復活を果たすと。今年3月にはジラリー・キャルービーを破り、ISKA世界王座初防衛に成功してみせた。
対する政所もジュニア時代から関西地区で数多くの団体のタイトルを総なめにしてきた実両者だ。DEEP☆KICKでコツコツと実戦を重ね、17年のRIZIN初参戦で石井一成に判定勝ちして全国区に名を広めた。RISEのリングでは21年の「DoA-53kgトーナメント」の一回戦で田丸に勝利するも準優勝するなど、白星から遠ざかった時期もあったが、「三度の飯より練習が好き」という努力家の実力がようやく開花、22年12月に滉大から判定勝ちで再起を果たすと、23年7月に風音に勝利。同年11月に次期挑戦者決定戦ともいえる4人制ワンデートーナメント「NEW WARRIORSトーナメント」の初戦で花岡竜をKO、決勝戦で12戦無敗の超新星・長谷川海翔を破り今回のタイトル挑戦へとつないだ。
大﨑と政所は2020年7月に一度対戦経験があり、その時は大﨑が判定勝ち。RISE・伊藤隆代表は「53kgの国内最強決定戦。国内屈指のカードです。RISEの53kgは激戦区なので素晴らしい戦いになると思う」と期待を込める。この一戦の勝者はこちらもトップに君臨する昨年にMVP級の活躍が評価された田丸との対戦もありえるという。キック界を卒業し、ボクシング界に転向した天心でさえも「勝敗を予想するのは難しい」というタイトルマッチの行方はどうなるか。
その他、会場が大阪だけに関西出身のRISE看板選手たちがビッグマッチにふさわしいマッチメイクが組まれ、第8代RISEライト級王者・中村寛はセミファイナルでブラジルの暴れん坊将軍タリソン“Crazy Cyclone”フェレイラとバチバチの打ち合い必至の対決。
RISEウェルター級王者・中村椋太は、今格闘技界で注目を集め、KO率の高い宇佐美兄弟の弟、宇佐美 秀 メイソンと対戦、RISEフライ級王者・数島大陸が、KOボーナス狙いでアグレッシブなムエタイファイターが揃うタイのTVマッチの7ch 105P元王者スドロー・ソージョートンプラシンと対戦、RISEスーパーフェザー級王者・大雅が、ONEでスーパーレックとONE世界王座を懸けて対戦した経験を持つ元ISAK世界王者ダニエル・プエルタスと戦うなど、現RISE王者勢が海外の強豪勢と激突する。
軽量級だけでなく、その他の階級でも熱いカードが並んだRISE大阪大会でどんな戦国の乱が繰り広げられるか──非常に楽しみだ。