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【review】ブルックスが暫定王座獲得!群雄割拠のONEストロー級に注目

3日(土・現地時間)タイ・バンコクのルンピニースタジアムでONE Fight Night 24: Brooks vs. Balartが開催され、メインイベントのMMAストロー級暫定王座決定戦では前王者ジャレッド・ブルックスがランキング3位のグスタボ・バラルトに一本勝ちし、暫定王者としてベルトを巻いた。

ONEのMMA部門においてストロー級は激動の階級だ。今年3月のカタール大会ONE 166で当時王者だったブルックスと挑戦者ジョシュア・パシオが対戦。スタンドでバックをとったブルックスがキムラロックを狙うパシオをスラムで叩きつけてパウンドアウトし、ブルックスの王座防衛かと思われたが、このスラムがONEでは反則となる頭から対戦相手を落とす行為と判断され、ブルックスの反則負けでパシオに王座が移動した。

思わぬ形で王座陥落となったブルックスだが、王者パシオが膝の怪我による長期欠場となり、大会タイトルにもある通り、前王者ブルックスとバラルトの間で暫定王座が争われる形となった。

今大会のメインイベントに組まれた暫定王座決定戦は、バラルトが試合前の計量・ハイドレーションテストをクリアできず。急遽ブルックスが勝った場合のみ暫定王座に認定されるという変則的な形になったのだが、いざ開始のゴングが鳴ると、ブルックスが圧倒的な強さを見せつけた。

序盤、お互いにミドルを蹴り合う展開から、ブルックスがバラルトの蹴り足をキャッチすると、そのままテイクダウンを奪うことに成功する。ここはバラルトに立ち上がられたものの、ブルックスはすぐさまバラルトを首相撲に捉えてヒザ蹴り、投げで2度目のテイクダウンを奪った。

ここはバラルトもスクランブルの強さを発揮してトップポジションを取り返すが、ブルックスがバラルトの体を蹴り離して立ち上がると四つ組みの攻防から足をかけてバラルトをテイクダウンして、そのままバックへ。足を四の字クラッチしてバラルトの動きを固め、しつこくリアネイキッドチョークを狙い続け、最後はパームトゥパームの形でバラルトからギブアップを奪った。

レスリングのパンアメリカン選手を3度制覇、ロンドン五輪にも出場しているバラルトを3度テイクダウンするレスリング力、そして一度バックを取ったらフィニッシュまでつなげるバックキープ&コントロールの強さを見せたブルックス。試合後にセコンドから柔術の黒帯を巻かれ「黒帯になることの意味を、皆は分かっていないかもしれない。でもここまで来るのに15年かかった。コーチの皆に感謝している」と喜びを語っていたが、まさにブルックスのレスリングと柔術の融合が導いた勝利だった。

これで暫定王者としてベルトを巻くことになったブルックスは次戦について正規王者パシオとの統一戦をはじめ、一階級上のフライ級王者デメトリアス・ジョンソンの名前を挙げた。

©︎ONE CHAMPIONSHIP

この日は元ストロー級王者・猿田洋祐と山北渓人の日本人対決が組まれ、山北がスプリット判定で猿田を撃破。ランキング外同士の対戦だったが、山北が正規王者パシオと3度に渡ってベルトを争った元王者の猿田に勝ったことは大きい。また9月7日にアメリカ・デンバーで開催されるONE 168ではランキング4位の箕輪ひろばがサンジャル・ザキロフと対戦する。

多くの日本人選手たちがトップ戦線に絡んでいるストロー級。パシオとブルックスの統一戦の時期も含め、日本のファンにとって今後の動向が最も注目される階級だ。

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