――佐藤戦から9カ月が経った今、その答えは見つかったのでしょうか。
「その答えを見つけるために、対戦直後で申し訳なかったんですけど――佐藤選手のジム（Fight Base都立大）へ練習をしに行かせていただきました」
――えっ!?
「今でも佐藤選手のジムで、たまに練習させていただいています。この人は、なぜこんなに強いのだろう? それを肌で感じたいと思ったんですよ。正直言って、もう佐藤選手はすごく上の存在じゃないですか。ONEに出ていて、僕と戦うことは当分ない。だったら僕が負けない選手になるために、自分に勝った選手から学ぶことが重要だと思って。
一緒に練習させていただいて、なぜ佐藤選手が強いのかも分かってきたところはあります。それと、僕と試合をした時のことを正直に聞いたんですね。佐藤選手は僕のウィークポイントとか、試合ではこう来たからこうしたんだよ、ということも教えてくれて。それを自分の中で持ち帰って、この2カ月間しっかり取り組んできました。その成果は、次の試合で出せると思います」
――いやぁ、負けた直後に負けた相手へ教えを乞うことができる河村選手はもちろん、そこでしっかりと教えてくれる佐藤選手も素晴らしいです。では仕切り直しの一戦、改めて須藤選手の印象を教えてください。
「やっぱり足関節ですよね。ただ、足関節が得意な選手ではあるんですけど、打撃がしっかりしていますよね。ガードも固いし、蹴りも巧いし、コンビネーションもあって。足関節だけ、って考えているとダメだと思います。もっと自分が考えていかないといけない、という思いは持っています」
――今年11月7日には、後楽園ホールで全階級のタイトルマッチを行う予定であることが発表されています。今回勝てば、その後楽園ホール大会へ進むことができるでしょう。
「それが、ですね……。みんな後楽園ホール大会に出たいと言っているんですけど、僕はそこに興味ないんです」
――それは衝撃発言です!
「正確に言うと、ただ後楽園ホールでタイトルマッチをやるだけではダメだと思っていて。実はもうネクサスのバンタム級では、対戦したい相手がいないんですよ。誰と防衛戦をやったら盛り上がるのか。そう考えると相手がいなくて。だから今のままでは、単に後楽園ホールで防衛戦をやるだけになってしまいますよね。
でも今回の試合に勝てば、考えていることがあります。それが実現できれば、ネクサスの後楽園ホール大会のメインにふさわしいと思うので、ぜひ楽しみにしていてください!」
