――竹浦選手のようなタイプの選手にとって、柔術の指導者としてではなくファイターとしては、柔術のルールが戦いづらい面はないですか。
「やりづらいですね。世界でトップを獲ろうと思ったら、そのルールに特化した練習をするようになります。僕は、そういうところでは勝負をしません。みんながやっているようなスタイルはやらない。流行りに乗ることもない。他の選手とは違うことをやって、全日本ノーギ選手権で優勝することができました」
――自分だけのスタイル、ということですね。
「自分にしかできないスタイルを目指しています。その他大勢と同じことをやっていると、そこに一番エネルギーを使った選手が勝つじゃないですか。そこで客観的に考えた時、自分の強みというか――結局は弱者の戦略なんです。自分にはコレしかできない、そこで勝負していくというのが、僕のやり方です」
――プログレスのルールに対しては、それは柔術からのアプローチではなく、MMA出身という立場からのアプローチのように思います。
「それはあると思いますね。プログレスはMMAでもないし、柔術でもなく、全く別モノとして考えています。プロのグラップリングとして、どう戦うか。
グラジエイター・カップや、自分でお金を払ってエントリーする試合については、一番勝率が高い技術を使って、面白くなくても勝ちに行きます。プログレスに対しては、こうしてメディアに扱ってもらったり、お金をもらって試合をする以上……何だコレ!? と思ってもらえるような試合をしたいですよね。もちろん極めて勝ちたいですし」
――その気持ちで迎える次回のプログレスマッチですが、対戦相手である関原翔選手の印象を教えてください。
「DEEPで伊藤裕樹と対戦しましたよね(2022年5月、伊藤が判定勝ち)。僕は愛知にいる時、裕樹と一緒に練習していたんですよ。だからプログレスの試合が決まる前に試合を見ていていました。その時、まさか関原選手と対戦することになるとは思っていなかったです(笑)。試合の印象としては、気持ちが強い選手だなと思いました。ガッツがあるな、と」
――関原選手は伊藤戦で、ケージ際の攻防に持ち込んでいました。今回もケージグラップリングの攻防になるかもしれません。
「前回の練習と試合で、ケージの感覚は掴みました。それに、もともと試合場がケージかリングか、マットか畳かは気にしていません。どこでも戦います。どんなルールでもやりますので、何でも言ってください!」