【後編】PROFESSIONAL SHOOTO 2022 Vol.3 新井丈 インタビュー

――現在はキングダムエルガイツとともに、和術慧舟會HEARTS所属にもなっています。

 

「HEARTS所属になったのは去年の10月ぐらいからです。ずっと練習環境を変えたいと思っていたんですよ。それなら同じ階級のトップ選手がいるところに行こうと。それで思い浮かんだのが、HEARTS所属でONE世界王者だった猿田(洋祐)さんでした。猿田さんはオレが苦手な組み技の選手だったので、そういうところをマンツーマンで練習できたら強くなれるだろうなって」

 

――HEARTSといえば、去年の6月に飯野タテオ選手と試合していますよね。

 

「その頃はもうHEARTSへ出稽古に行っていて、飯野さんは食事したり、いろいろ相談に乗ってもらっていた人でした。だから飯野さんとは試合したくはなかったんですよね。お世話になっているし、のちのちチームメイトになることは分かっていたので。でも、飯野さんが試合のオファーを受けたから、オレのところに話が来たと思うんですよ。それで入江さん(入江秀忠キングダムエルガイツ代表)にも説得されて。『上の立場の選手が試合してくれると言っているのに、お前が断るのは失礼なんじゃないか?』そう言われて、飯野さんと試合したっていう感じです」

 

――結果は1RにKO勝ち、その時の心情は複雑だったのではないですか。

 

「複雑でした……。今はオレにとって、お兄さん的な存在です。次の試合もセコンドをお願いしているので。熱いっすよね」

 

――連勝し始めてからは、何か技術的な面で掴めたものがあったのでしょうか。

 

「技術については、実際そんなに変わっていないと思うんです。勝ち方が分かったというか。試合の組み立てが、やっと確立されてきたんですよね。ただ、負けていた頃にはテイクダウンディフェンスの技術はなかったです。そういうパターンが増えて、試合を組み立てることができてきたんじゃないかなと思います」

 

――そんななか修斗では昨年から、今回の対戦相手である黒澤選手を煽る言動がありました。黒澤選手を標的にしていた理由は何だったのでしょうか。

 

「もともとは飯野戦が終わったあと控室で、プロモーター側から7月に黒澤選手とどうかって聞かれたんですよ。オレは、やりますって答えました。2カ月でランカー2人倒したら熱いじゃないですか。でもその期間では黒澤選手が体重を落とせないとかで、試合が流れたんですよね。それがオレの中では、黒澤選手が逃げたなと思っていて。その頃からチョチョイ煽っています。元チャンピオンだし、オイシイ相手なので。でも今は、逃げたとか昔の話はどうでもいいです。次の試合は元チャンピオンを倒す、それだけですね」

 

――現在、修斗ストロー級の世界ランキングは新井選手が1位、黒澤選手が3位です。その間にいる2位の安芸柊斗選手については、どのような印象を持っていますか。現ストロー級暫定王者の猿丸ジュンジ選手に安芸選手が挑戦となれば、「リアルがんばれ元気だ」と話題になっています。

 

「すみません、リアル……何ですか?」

 

――リアルがんばれ元気です。父親を倒した相手と、その息子が戦うというボクシング漫画で……新井選手の年齢では、がんばれ元気という漫画を知らなくて当然ですよね。

 

「そうなんですね(笑)。安芸選手が出てきたことで、修斗のストロー級が盛り上がって良いと思いますよ。そういうストーリーがあるなら安芸選手が猿丸選手に挑戦しても良いと思いますけど、一番は箕輪君(箕輪ひろば、修斗世界ストロー級正規王者)が猿丸選手と対戦してほしいんですけどね。順番でいうなら、まずはそこじゃないですか」

 

――なるほど。では次の対戦相手、黒澤選手の印象を教えてください。

 

「3月の後楽園ホールで、オレのことを『打ち合い、打ち合いばかり。そんなヤツがランキング1位って団体として恥』とか言っていたじゃないですか。でも、黒澤選手もストライカーじゃないですか。オレは別に、グラップラーに対して殴り合えと言っているわけじゃないんでね。

 

黒澤選手が言いたいことは分かりますよ。オレみたいなスタイルの選手が打投極を謳っている修斗の1位で、のちのちチャンピオンになったら申し訳ない、っていう気持ちはあります」

 

――その部分については、新井選手が申し訳なく思う必要があるのでしょうか。あくまでMMAの試合であり、勝ったほうが正義であるべきですし。

 

「アハハハ、それはそうなんですけどね。黒澤選手の言うことにも一理ある、っていう感じです。ただ、お前も前の試合でワンツーしか打っていないじゃないか、って」

 

――前回、猿丸ジュンジ選手との暫定王座決定戦で敗れた試合ですね。

 

「自分の試合を見てから言え、って思いました。それで試合では組みたいなら組みに来ればいいけど、オレはどこでも勝負しますよ。でも黒澤選手も空手がベースだから、結局は打ち合いになるんじゃないですかね。その中で相手の心が折れて、嫌な顔しながら倒れて」

 

――木内SKINNY ZOMBIE崇雅戦のフィニッシュは、まさに相手の心を折ったKOでした。

 

「そうですね。気持ちの勝負をしたいから、相手の気持ちを折りに行きたいんですよ。試合中に相手の気持ちが折れたら分かります。反対に相手が気持ち折れずにいたら、オレのやりたい試合――みんなの心を動かす試合になるじゃないですか。どういった展開になるにせよ、そういう試合をしたいです」

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