【後編】PROFESSIONAL SHOOTO 2022 Vol.2 西川大和 インタビュー

――なるほど。では次の試合についてお聞きしたいのですが、なぜウェルター級での試合となったのでしょうか。

 

「今はONEの階級に合わせているんです。ONEはライト級でもウェルター級の体重になるじゃないですか。1年後にタイへ行った時、ONEからオファーが来た時のために、ウェルター級の体重で動いて、体を慣らしておきたいという思いもありました」

 

――山田戦がウェルター級の試合だと発表された時、それだけ減量がキツかったのかと思いました。

 

「キツいのはキツいです。でも海外から試合のオファーが来たら、ライト級に落として戦います。今は海外で戦う前に自分の体を削りたくない、と考えているんです。自分にとっては、これからが本当に活躍すべき戦いになると思うんですよね。その前に体を削って、選手としての寿命を縮めるようなことはしたくない。そう考えたら、普段から節制して体脂肪率も10パーセントしかないところから減量して、筋肉を削っていくようなことはどうなのかな、と……」

 

――考えてみると、西川選手はまだ10代なのですよね。20代、30代の選手ならともかく、10代のうちから減量しすぎると、筋肉どころか骨も削られてしまうかもしれません。

 

「そうなんです。格闘技でもジュニア出身って、身長が低い選手が多いじゃないですか。お父さんは身長が高いのに、その子供は小さかったりとか。ボクシングの井上尚哉選手も身長はお父さんより低いですよね。僕も父からは『小さい頃に減量させていなければ、もっと身長が伸びたかもしれないな』と言われました。兄が180センチ以上あるので」

 

――これまで西川選手に対して「階級を落としたほうが良いのでは?」という意見もありましたが、そのような経緯があったのですね。

 

「全て今後を考えてのことです。試合スタイルも同じなんですよ。もともと僕は打撃寄りで試合をしていました。寝技を一切使わず、寝技の選手を打撃で倒すというのが僕の考えでした。次にグラップリングの攻防で極められるようになってから、修斗で見ていただいているような試合スタイルになったんです。そうやって今後の目標に向かって、自分が考えている階段を一つひとつ昇ってきました」

 

――そのなかで、あれだけグラップリングやサブミッションが強い山田選手と、どのように戦いますか。

 

「いつもどおりです。今回も僕が負けるだろう、という声が聞こえてきています。今までも試合前の予想で僕が勝つっていう声は、ほとんどなかったです。大尊選手との試合は殴られてKO負け、川名選手との試合は漬けられてボコボコに殴られて判定負け――ずっと、そういう声を全部ひっくり返してきました。だから自分も何とも言えないんですよね、試合については」

 

――以前の西川選手は、そういった声に対して言い返したりすることもあったと思います。インタビューでも、周囲の声に対して感情を露わにしたり……。しかし今日はとても落ち着いています。

 

「あぁ~……これは笑っちゃう話なんですけど、友達がいなくなっているんですよ(苦笑)」

 

――……どういうことですか。

 

「冷静すぎて気持ち悪い、冷たくなったねって言われるんです。一緒にいる友達や家族も含め、近寄りがたいと言われる時があって。でも僕は、冷たくなったと思われても良いと思うんですよ。格闘技って、選手同士が仲良くするための会ではないので。自分が心を開いている家族や友人には、普通に接します。でも『もっと10代らしい言葉を発して――』と言われても、それは違うと思うので。あとは自分がしっかりやっていること以外に、あまり目を向けなくなったのかもしれないです。そういう気持ちですね、今は」

 

――それが西川選手にとっての格闘技なのですね。

 

「僕は別に、格闘技を通じて目立ちたいとかテレビに出たい、とは思っていないんです。格闘技で有名になって芸能人になりたいとか、一切ないです。僕は格闘技が好きだからやっていて、格闘技を究めることでお金と名誉がついてくれば、それで良いです。でも実力がないと、そのお金と名誉はついてきませんから。

 

僕は海外の選手を倒すことが目標で、強い選手を倒して自分も強くなりたい。それ以外に――たとえば自分をアピールするためにSNSへ力を割く、というつもりもありません。挑戦できるのは、若い時に1回だけ。だから今、人生の全てを格闘技に向けて、やっていきたいです」

 

――最近は選手側からSNSで情報を発信することが多くなっていますが、西川選手にとっては違うと。

 

「これは、あくまで僕の考えです。ただ、別にSNSやテレビでチヤホヤされても――言い方は悪いけど、選手はのぼせ上がるだけじゃないですか。そういうものではなくて、実力をつけて強くなって上に行く。それが格闘技だと思っているので、僕は試合でアピールします」

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