
7月4日(日)、東京・後楽園ホールで開催されるDEEP 102 IMPACT。今回は3大タイトルマッチが組まれるなか、ライト級では現王者・武田光司の負傷により、大原樹里と大木亮太の間で暫定王者決定戦が行われることとなった。
大原と大木は、ともに打撃が中心のMMAファイターだが、ともに差し合いからのテイクダウンディフェンスも強い。
試合は期待通りの打ち合いとなるか、あるいは組み合いが勝負を分けるのか。
常にノンストップファイトを展開する両者、ベルトを巻くのはどちらだ!?
DEEPライト級暫定王者決定戦 5分3R
大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ)
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大木良太(KRAZY BEE)
戦績データ
■大原樹里
MMA戦績:28勝18敗3分1NC
最近5試合:
2021年2月21日 〇北岡悟 by KO
2020年9月27日 〇矢地祐介 by 判定2-1
2020年8月23日 〇鈴木琢仁 by TKO
2019年12月15日 ×武田光司 by キムラ
2019年10月22日 ×武田光司 by テクニカル判定0-3
■大木良太
MMA戦績:5勝1敗
最近5試合:
2021年3月13日 〇鈴木琢仁 by 判定2-1
2020年8月23日 〇LUIZ by 判定3-0
2019年12月15日 〇佐々木大 by 判定3-0
2019年10月22日 〇高塩竜司 by TKO
2017年6月25日 〇ANIMAL KOJI by 判定2-1
大原樹里は2009年のプロデビュー以降、キックボクシングをベースとした打撃で、MMAでも多くのKO勝利を積み重ねてきたが、そのスタイルゆえかトップ選手に跳ね返されることも少なくはなかった。
特に、現正規王者・武田とは3戦3敗。武田のグラップリング力の前に、得意の打撃を生かしきることができなかった。しかし、そのスタイルは、RIZINという舞台で開花した。
五味隆典にKO勝ちした矢地祐介とRIZINで対戦した大原は、序盤に右ミドルをキャッチされてグラウンドに持ち込まれたものの、その後スタンドに戻ってからは矢地と激しい打撃戦を展開。グラウンドでもパウンドを浴びせ、判定勝ちを収めている。
さらに今年2月には、北岡悟のテイクダウンや足関節を封じて、パウンドでKO勝ち。今回の暫定王座決定戦への切符をものにした。
元修斗環太平洋王者で、現在はDEEPで戦っている佐藤洋一郎とグラップリングの練習を行っている大原。階級が上の実力者、佐藤との練習で追い込まれることにより、「ここで佐藤さんにやられたらから、こう返せばいいんだ」という対処法が身に付いたという。
結果、テイクダウンされることを意識しすぎることなく、以前よりもクラウチングスタイルで構えることにより、得意の右ストレートと右ミドルが生きるようになったのではないか。
対する大木良太は、大原が下した矢地と同じKRAZY BEEに所属する、打撃系ファイターだ。その打撃力の礎には、KRAZY BEEで築かれたレスリング力、特にスタンドレスリングの強さがある。
そんな両者の激突は、もちろん打撃戦が中心となるだろう。そこで距離が近くなった時、大木が組み付き両脇を差し上げてきた時に、大原がどのように対応するか。
ポイントは打撃力はもちろん、お互いのテイクダウン力とスクランブル、テイクダウンディフェンスにありそうだ。
キャリアで比較すると、これまで50戦以上MMAを経験している大原に対し、大木はわずか6戦。過去の対戦相手よりも打撃の強い大原を前にした時、これまでと同じファイトを展開できるかどうか。
あるいは、まだ底を見せていない実力を発揮し、わずか7戦目にしてDEEPのベルトを巻くのか。
いずれにせよ、スタイルが近い同士の対決。その先にある、正規王者・武田との王座統一戦でどのような戦いを見せるのかもあわせて、非常に興味深い。