――隙間産業ですか(笑)。
「アハハハ。投げられてもいいや、という気持ちで僕の組み手が雑になってしまっていたんです。投げられてもグラウンドに持ち込めるなら良いというのは、一つの考えとしてありました。あれほど投げが強いとは思っていなかったので。もっと組み手を丁寧にやっていかないといけないし、その前にしっかりと打撃で削ること。前蹴りを有効に使ったりしながら、効かせるのではなく削って、相手の良い形で組ませない」
――それこそが本来の神田選手のスタイルだと思います。
「過去の試合でいえば、土肥戦(2022年1月、神田が判定勝ち)のような展開が近いかもしれないですね。あとはスタンドバックから逃げる方法と、カウンターのバリエーションを増やしてきました。このダイレクトリマッチで、自分の試合を創ることができるかどうか。メンタルゲームに持ち込みたいです」
――メンタルゲームですか。過去に試合の中でメンタルが折れてしまったことはありますか。
「プロデビュー当初はありましたよ。相手に試合を創られてしまって、自分の展開に持ち込むことができずに……。でも最近は、ないです。自分の試合を創ることは巧くなってきたと思いますし。それが初の国際戦で崩れてしまった部分はあります。もう一度、自分の試合の創り方を見直して、メンタルゲームを制したいです。メンタルを削れば、自然とフィジカルも削れてくると思うので」
――やはりケージ際の削り合いがポイントになるでしょうか。
「ケージ際の展開は多くなるでしょうね。スタンドもそうですけど、結局は自分の意識の問題なんです。しっかりと距離を設定して、ちゃんと構えや組み手を創ることができるか。そういうシンプルな部分をやり通すことができるか」
――3Rを通じて削り合う展開になるかもしれませんね。
「希望としては2Rぐらいに、分かりやすく気持ちが折れてRNCを取らせてほしいんですけどね(笑)。そんなことはないでしょうから、フルラウンド削っていく準備をしています。実はテムーレンって、過去の試合を視ると終盤になったら疲れていることが多くて」
――そうですね。過去には3Rにマウントを奪っても、疲労でパンチを連打できないと思われるシーンがありました。
「だいたいの試合が、そんな感じで。後半になったら、よく分からない足関節の取り方をしていたりとか。もしかしたら、試合をしているモンゴルの標高が高いせいかもしれないですけどね。もちろん今は技術的にも強くなっていることは間違いないです。だけどキツい試合になればなるほど、穴は空いてくると思うんですよ。そこは僕らしく、しっかりと削っていきます」