GLADIATOR櫻井雄一郎代表×PROGRESS実行委員会長谷川氏×池本氏鼎談 後編

――まさかの池本さんへの出場オファーがありましたが、その池本さんが今後どのようにグラジエイターに関わっていくのか、そこからご紹介いただけますでしょうか。

櫻井 池本さんは選手としての実績はもちろん、引退後は11の格闘技ジムを経営されるなど、ビジネスでも成功を収めていらっしゃいます。その視点からグラジエイターにご指導を頂きたいと思い、お食事の席で相談させていただきました。そして今回、スーパーバイザーという形でグラジエイターにご協力いただくこととなりました。

池本 僕はプロのMMAファイターとして、国内外の様々なプロモーションで試合をしてきました。選手活動と並行して、RED ZONEという格闘技イベントも主催していました。櫻井さんからご紹介いただいたとおり――現役時代から今まで15年間、ジム経営をしています。しばらくイベント主催の現場からは離れていましたが、これから櫻井さんや長谷川さんと一緒に、グラジエイターの発展に協力させていただきます。

長谷川 池本さんは今回のプロジェクトを発足させるにあたり、初めてお話させていただいたのですが、自分が昔から試合を観ていた方に協力いただけるのは嬉しいです。

櫻井 お二人の存在は、とても心強いです。私も格闘技が好きで、いろいろな流れからグラジエイターを主催することになりました。今の日本MMAは、どのプロモーションも厳しい状況でしょう。そんななかでも、少しでも格闘技界を良くしていきたい。質を下げることなく、良い興行を開催して格闘技界に貢献していきたいです。もちろん限られた予算のなかで、海外から選手を呼ぶには限界もあります。チケットを売りたいのは、外国人選手を招聘するためだけではないです。やはり会場を満員にして、その盛り上がり方も見てほしいんですね。会場がスカスカだと、やはり雰囲気も下がってしまいます。

池本 選手としても会場が満員で盛り上がっていると、気持ちが全然違いますよね。応援してくれている人がいて、その人たちが自分の試合を見て力や勇気をもらってくれれば、選手自身も頑張っていける。それが、『格闘技をやっていて良かった』と思える瞬間なんですよ。でも、格闘技を知らない人に『面白いよ』と言っても、その人は格闘技の大会がどんなものか想像がつきにくい。

それよりは選手が身近な人を呼んで、見てもらって少しずつでもファンを増やしていくほうが一番早いと思います。現役選手の人に知ってもらいたいのは、身近な人に自分が格闘技で頑張っている姿を見せられるのは、現役の間だけなんです。引退したら誰にも見せられません。今はインターネットに動画が残っていたりするので、過去の自分の姿を見てもらうことはできます。

でも、やっぱり生で見るパワーとは違いますよね。たとえ親御さんや兄弟であっても、選手は今の自分の頑張っている姿を今見てもらったほうが、絶対に良いです。

櫻井 長谷川さん、池本さん、両者の話を伺って今、このようなレールが出来ました。私は最後まで、このレールに乗っていきたいと考えています。ただし、このレールに乗っていくためには、私ひとりでは力不足です。この業界を盛り上げたい、日本格闘技界の実力を底上げしたい――海外で通用する選手を育てるために、同じ目標を持っている長谷川さんのサポートは大変ありがたいです。

池本 今の日本MMAを見ると、まず格闘技だけで食べていける選手が決して多くはない。そこには興行のチケット収入であったり、スポンサーさんが少ないといった問題があります。チケット収入に関しては、選手自身の意識の問題もあるとは思います。プロとしてお客さんをどれだけ呼べるか、あるいは営業活動をして自分がチケットを売れるのか。自分のジムに所属している選手でも、どれだけチケットを売るのか訊くと、10枚を切っている選手がいるんです。

チケットの手売りについては、いろいろな意見があるでしょう。でも営業できない、イコール自分が好きでやっていることを人に言えない時点で、その選手が上に行くことは難しいです。それだけ応援してくれる人が少ないわけですから。僕自身、そういった営業のやり方をジム側が教えてあげなければいけないと感じています。

これが格闘技ブームの時代なら、何もしなくてもお客さんが来てくれるかもしれません。でも今はブームではない。その分みんなで力を合わせていけば、まだまだ伸びしろがある業界だと思っています。スポンサーの獲得についても選手が発信力を持ったり、選手あるいは主催者がスポンサードしてくれた企業に何かを返すことができないといけないですよね。

企業側が『スポンサードして良かった。応援して良かった』と思ってもらえるような大会をデザインできれば、まだまだ応援してくれる企業も増えていくはずです。僕の立場としてはグラジエイターに関わっている皆さんに、そういうところを担っていきたいです。

――たとえば、どのような戦略があるのでしょうか。

池本 一つはブランディングですよね。ちゃんと格闘技の良さを相手に説明できるかどうか。営業で提出する資料はどう作ればいいのか、主催者もジム側も自身がやっていないことは選手に教えることができません。すると企業に一度提案に行っただけで終わってしまうことが多いです。

スポンサードしてくれたら自分が何を返せるのか示すことができないと、相手にただお金を払ってもらうだけになりますからね。それで企業側に『格闘技を応援しても何のメリットもない』と思われたら、業界にとって何も良いことはないです。だから、そういった部分も私がサポートできればと考えています。

長谷川 そういう営業ってMMAジムよりキックボクシングジムのほうが強いですよね。僕自身はファイターとして、チケットの手売りには力を入れていませんでした。それでも毎回100枚以上は売れていましたし、普段からの付き合い方もあるのかなと思います。

池本 アハハハ、100枚以上は凄いですよ。

長谷川 もちろん今、池本さんの仰ったことも分かります。ただ、チケットの手売りに頼りすぎると、チケットが売れるから試合が組まれるという選手が増えてしまいます。それよりは、まず実力があるから試合に出られるような環境も整えていきたいです。結果グラジエイターが修羅の国みたいな、強いヤツばっかり集まった凄い大会にしたいです(笑)。

──では最後に、それぞれ今後グラジエイターでやっていきたいことなどを教えてください。

池本 しばらく競技を見ることから離れていましたから、まずは選手と大会について、よく見ていきたいです。そして僕にしか分からないこと、僕しかできないことを探していきたいと思っています。自分も選手も大会もやってきて、今はジム経営者であると同時に若い高校生なども指導しています。そういった経験を生かして、早く自分の役割を果たしていきたいです。

長谷川 最初にも言ったことなのですが、強い選手が出て来る場所にしたいです。『上の舞台に行きたい』という選手は多いですが、上の舞台に行くために鎬を削る場にしていきたいですね。それは西日本だけではなく、東日本の選手でも鎬を削る場が欲しい選手は、どんどん言ってきてください。グラジエイターを、ちゃんと夢につながっていく場所にするお手伝いをしていきます。

櫻井 日本の首都は東京なので、何でも東京に集中しています。それはMMAでも同じですよね。主要なプロモーションは東京に拠点を置いていますし、ジムの数も選手人口も他の地域とは違います。私は西日本に拠点を置いていますが、グラジエイターを首都圏の大会に劣らないものにしていきたいです。

そのためには西日本だけでなく、東日本の強い選手も参加したいと思ってくれる大会にして、西日本のMMAの底上げをしたい。それが西日本に拠点を置く者としての夢です。ひいては、それが日本MMA全体への貢献になると考えていきます。池本さんと長谷川さんにご協力いただきながら、この体制でグラジエイターが首都圏以外の大会のモデルケースとなれるよう、頑張ってまいります。今後もよろしくお願いいたします。

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