DEEP110IMPACT 赤沢幸典インタビュー後編

――……。

「そこでハッと目が覚めて、帰国するための準備を始めました。あと自分の中で、甘えているなと思ったんですよ。たとえばACBに出た時って、ジョルジュが大スターだから、ファンがホテルに押し掛けるような状態になったんです。僕もジョルジュ推薦で出るから注目されていて。するとカビブ・ヌルマゴメドフがジョルジュに連絡をくれて、『別にホテルを取ったから移ったほうが良い』と。

そのホテルでジョルジュ、カビブと僕で食事したんですけど、その環境によって自分が何者かになったような錯覚に陥っていたんですよね。でも当時は自分も気づいていなかった。ジョルジュが強いのも、カビブが強いのも彼ら自身の努力によるものであって。なのに自分はジョルジュや有名選手と練習しているから自分は強いんだと錯覚していたんです。だから、最後はジョルジュからも離れたんです」

――えっ、そうなのですか。

「ずっと練習に誘ってくれていたんですが、そこに甘えていると自分は弱くなってしまうと思って。なるべく自分で考えて練習するようにしました。帰国する時はジョルジュにも連絡して、彼から『良い選択だと思うよ。君のキャリアに幸あることを願っている』と言ってもらえて嬉しかったです」

――帰国後は大成戦とアンディ・コング戦と2連勝しています。

「徐々に毎試合、自分のキャパを広げているといいますか。自分が持っているものを出すこと、足りないものを足していく。大成戦では、フルラウンド漬けて勝つと決めていました。日本でお世話になっていて、セコンドに付いてくれている岡見勇信さんにも言われました。まずは漬けて勝つことを覚えようって。僕はボクシングもやっていたので、打撃で勝ちたいと言ったんです。すると岡見さんが、それはダメだと。

ただ、固めて勝っても面白くないじゃないですか。僕はUFCを目指しています。でもUFCに行って、どれだけ漬けて勝っていても、一度負けただけで契約を切られるケースもあったりして……やっぱりフィニッシュしないといけない。そこでジョルジュの漬けるスタイルと打撃を組み合わせるなら、パウンドだなと思ったんです。パウンドを打ちながら相手をコントロールする、カビブのようなスタイルですよね。日本に帰ってきてから、そうやって自分の考えていることが出せているかなと思います」

――そしてプロデビューから10年が経ち、そのデビュー戦の相手とベルトを賭けて戦うとは、何とも不思議な縁ですね。

「そうですね、不思議です(笑)。でも10年前のことですからね。再戦というよりは、ただの対戦相手という感じで。特別な想いはないです。

当て勘はあるし、変なタイミングで打撃を当てて来るっていう、やりづらさはあると思います。もちろんヘビー級なので、一発で試合が変わってしまうこともあるじゃないですか。油断していると、その一発をもらってしまう。その一発を受けずに自分のプラン通りに戦うことが重要だと考えています。

でも僕の打撃スキルとレスリング、グラップリングの能力は体力面――どこを取っても負ける要素はない。この10年で相手も頑張ってきたのでしょうけど、僕はそれ以上にやってきたので」

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