【後編】森戸新士 インタビュー

――現在は柔術なりグラップリングなり、トーナメントの試合には出ないのですか。

 

「いえ、大きな大会があれば出たいです。先日もJBJJFの全日本オープン選手権があったのですが、それがKITの前日だったので……。僕がプロ興行に呼んでもらえるのは、やはりトーナメントの実績のおかげだと思います。言うても黒帯では全日本で一度優勝しただけですけど、海外の試合も含めて実績を作っていきたいです。この2年はコロナ禍もありましたが、それでも海外遠征している選手はいて、言い訳にはならないですからね。もう僕も30歳なので、そろそろ海外にも出ていきたいです」

 

――海外の大会というと、現在ちょうどADCC世界大会が行われているところですね。

 

「すみません、インタビューを受けながらADCC世界大会を観ています(笑)」

 

――アハハハ、そうだったのですか。

 

「Zoomの画面を見ながら、横ではスマホでADCC世界大会を流しています(笑)。階級別の決勝が終わって無差別級が始まっているところです。今、檄アツの展開になっていますよ。メチャクチャ面白いです」

 

――試合を観ていると、自分も出たくなるのではないですか。

 

「出たいです。でも今出ても勝てないですね。今回もすごくレベルが高いですから。ただ、岩本(健汰)選手がJT・トレスと良い試合をしていました(※77キロ級1回戦でノーポイントの延長で、JT・トレスがレフェリー判定勝利)。もちろん実力差はあったと思います。それでも岩本選手は立ちレスが向上していて、メチャクチャ強くなっていますよ」

 

――ADCCはポイント制が後半からあるので、レスリング力は絶対ですね。そのなかで前回は立ちレス中心の河名選手と対戦しましたが、次の相手は柔術ベースの須藤選手です。須藤選手はMMAも戦っていますが、足関節を中心としたグラップリング寄りのファイターです。

 

「プログレスではMMAファイターと試合をしてきましたが、もちろんグラップラーと試合をすることも想定していました。何試合もやっていれば、どんどん強い選手が出て来るし、強い相手と対戦したいから出ているので。特に、須藤選手のように日本人の中でも足関節に特化している選手と対戦できるのは貴重な経験です。須藤選手はJBJJFの全日本ノーギでも足関節を取りまくっていましたし、MMAでも足関節のフィニッシュが多いですよね」

 

――MMA戦績は6勝1敗、6勝のうち5試合は足関節による一本勝ちです。

 

「あそこまで足関節に特化した選手と対戦するのは、岩本選手と対戦した時ぐらいですね(2020年8月、高橋サブミッション雄己とチームを組んだタッグマッチで、岩本健汰&山中健也チームと対戦して時間切れドロー)。当時の岩本選手は足関節を主体に戦っていました。僕も足関節を得意とする選手と試合をした経験も少なくて。海外を目指すためには、しっかり足関節に対応できないとダメですから」

 

――森戸選手と須藤選手では、足関節の取り方は異なるのでしょうか。

 

「全日本ノーギの試合を観るかぎりは、僕も知っている入り方が多かったです。独特の入り方をしているわけではないので、そこまで不安はないですね。プログレスのルールだと引き込みはマイナス2ポイントで、そこからトップになると2ポイント入ります。だから足関節を使って上になり、ポイントを取っていくという戦略もあります。普通に考えたら相手は足関節で一本を狙ってくるでしょうし、いろいろ想定はしています。あとは須藤選手がどれだけ立ちレスができるかが分かっていなくて」

 

――これまで森戸選手はMMAファイターを相手に、引き込み2ポイントを献上してから極める戦略も取ってきました。今回は須藤選手が同じ戦略を取ってくる可能性もあります。

 

「はい。でも僕はあらゆる局面で強くなりたいので、相手がそういう戦略で来ても、しっかり潰して上から極められるようにしたいです。相手の引き込みによる2ポイントだけで勝つとか、そういう試合はしたくないですね。トーナメントであれば、体力温存のためにポイントで勝つ選択をすることはあります。でもこの試合は、プロ興行のワンマッチなので。僕自身、以前より立ちレスは強くなっていると思います。ちゃんと足関節に対応しながら、上のポジションを取って極めることを目指します」

 

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