
――急に素に戻りましたね(笑)。
「アハハハ。自分のほうが強いっていう自信があるのは確かです。東京に来て、波のある練習ができているので。というのは自分より強い選手がいるから、練習で自分がやられることも多くて。
地元にいると自分が一番強いのでボコボコにされるどころか、劣勢になることもなかったんですよ。でも東京に来てからは自分がやられることもあるので、自信は失くしますよ。なんでオレはこんなに弱いのかなって」
――……。
「特に……最近よく石渡さん、アキラさんと一緒にトレーニングすることが多いんですよ。ラントレなり、フィジカルトレーニングなり。アキラさんは同じ日にパンクラスで試合しますからね。そこで一緒に練習しているアキラさんがヤバいんです。屈強すぎて(苦笑)」
――アハハハ、屈強すぎるアキラ選手とは?
「トレーニング中に、もう自分はバテバテになっているんですよ。もう体が動かない、そう思っている自分の横で、アキラさんは動いている。もしかしたら同じような状態かもしれないけど、それでもトレーニングをやり抜くアキラさんがいて。
体もそうだし、メンタルも違いすぎる。そのアキラさんを見て、オレはまだまだだなって感じました。あの年齢で、あれだけ動いているアキラさんと一緒に練習していると、自分もケツを叩かれているように思います」
――なるほど。一方、技術的な面では成長を感じていますか。
「一番良くなったのは、寝技や組み技に関する細かい攻防ですね。まだ上手くなっているわけじゃないけど、知識は増えてきたと思います。体のバランスも良くなってきました」
――他のGPメンバーが激しい潰し合いを行っているなかで、宇田選手は2021年以降、現在まで2試合のみ。この試合数は何か影響を及ぼすでしょうか。
「影響はあると思いますよ。やっぱり自分は経験が少ないので。それも今回のDEEPフライ級GPに参戦する理由の一つですから。
まず試合をこなして、経験を積まなアカンなと思っていました。正直、自分はトーナメントがどうとは考えていなくて。今回はDEEPと4試合契約を結んだ、っていう感じです。4試合勝てば、おのずと賞金も貰えるっていうぐらいで」
――もし抽選会に参加していたら、対戦相手として誰を選びたかったですか。
「試合できるなら、ホンマに誰でも良くて。抽選会場にいても、空いた席に座ろうかなと思っていたかもしれないです。まぁ……2人ですかね。福田(龍彌)と伊藤(裕樹)は優勝候補と言われているじゃないですか。その2人は対戦したいというか、試合してもいいかなっていうぐらいで」
――結果、抽選会のあとに、島袋チカラ選手と対戦するXとして発表されました。対戦相手となった島袋選手の印象を教えてください。
「よく動いて、寝技の仕掛けもある、経験もあるファイターですかね。自分としては何も問題ないかなって思います。仕上がっちゃいましたから」
――仕上がっちゃいましたか。それは以前の自分と比べて、何パーセント増しになっているのでしょうか。
「今回は、不安が全くないです。RIZINの時は初めてづくしで、正直なところ緊張も不安もありました。でも今は、試合前っていう感じがしません。緊張もしていなくて。地元にいて、勝ち続けていた頃の感覚に近いです。東京に慣れて、ようやくその感覚を取り戻してきましたから。次の試合は必ずKOか一本、フィニッシュします。敬意をもって、全力で勝ちに行きます」